2003年08月15日(金) 00時00分

フェリーで盗難 ７７０人荷物検査、空振り（朝日新聞・）

　　京都・舞鶴港を１２日深夜に出港した大型フェリーで連続窃盗事件が発生し、第９管区海上保安本部（新潟市）などが１３日未明から１４日早朝にかけ、航行中の同船にヘリコプターから海上保安官を乗り込ませるなど、異例の捜査を展開した。しかし、有力な手がかりは得られないまま、１４日午前５時半、船は北海道・小樽港に入港、乗客が全員下船した。

　　事件があったのは、新日本海フェリー「ニューあかしあ」（１万９千トン）。９管によると、１２日午後１１時半の出航から１３日未明までの間に、船内で乗客の現金やカメラなどが盗まれる事件が８件発生したと同船から連絡があった。

　　９管は海上保安官９人を巡視船などで急行させ、同日午前７時ごろから乗客、船員約７７０人の手荷物を任意で検査し始めた。その後、保安官４人をヘリで派遣し、第１管区海上保安本部（小樽市）にも応援を要請。入港時にさらに４０人を投入し、捜査人員は５７人に膨らんだ。

　　船という「密室」の中の捜査だったが、検査した手荷物の中から盗まれた金品は見つからず、トイレから盗品のカメラを発見しただけ。１管の幹部は「あれだけの人数を漏らさずチェックするのは難しい。盗んだ物を海に捨てたか、車に隠したのではないか」。

　　乗客の１人の大阪府岸和田市の男子学生（２０）は「突然手荷物検査をすると言われたので、一瞬、テロかと思った」と話していた。


（8/15）

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news02.asp?kiji=5385