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2003年08月14日(木) 13時15分

急増する24時間スーパー 眠らない消費者争奪戦中日新聞

 【三重県】スーパー各社が中部地方で、24時間営業の店舗を増やし始めた。利便性を高め、コンビニエンスストアに流れがちだった夜間の客を取り込もうというのが狙い。営業時間延長に伴う人件費などのコスト増をどうやって吸収するかが大きな鍵となるが、スーパーの深夜営業による“コンビニ化”は今後、都心部にも徐々に波及してきそうな気配だ。(長田 弘己)

 午前零時半。三重県松阪市の繁華街近くに位置する食品スーパー、マックスバリュ中部(同市)の「マックスバリュ松阪中央店」。

 約2000平方メートルの店内で、買い物かごを手に野菜などを品定めするのは、若い女性、中年男性など7、8人。賞味期限が迫り、半額に割引された総菜を買い込んでいる人もいる。

 この店は2002年8月のオープン時から24時間営業を始めた。JRや近鉄の松阪駅に近く、幹線道路にも面していることなどから、夜間の買い物客が見込めると判断したためだ。

 今のところ、午後10時から午前8時までの売上高は全体の15%。立地条件のよさもあり、「他店舗と比較するとかなり奮闘している」と、マックスバリュ中部。

 一方で、夜間は「ナイトクルー」と名付けた、男性を中心にした夜間専門店員を配置。警備員も常駐させるため、膨らんだ経費は夜間の増収分だけでは補えず、「(利益面では)まだまだ苦しい」(マックスバリュ中部)という。

 しかし、同市内では同じ食品スーパー、オークワ(和歌山市)の2店舗も昨年から同様に24時間営業を実施しており、激しい夜間の買い物客の奪い合いが展開されている。

 マックスバリュでは、「昼間の人員配置の見直しを含め、24時間営業をシステム化して全体的な経費削減策を図れば利益は生み出せる」と期待をかけている。

 スーパー業界では、ジャスコを展開するイオン(千葉市)の岡田元也社長が「食品スーパーの24時間営業は消費者のニーズに応える必然的な流れ」と強調。こうした形態の店舗を今後さらに増やしていく考えを示している。

 地元大手のユニー(愛知県稲沢市)はまだ、24時間営業店舗をつくっていないが、「夜間の買い物のニーズはある」と佐々木孝治社長。各店舗の立地などの条件を踏まえた上で、慎重に導入を検討していく考えだ。

 マックスバリュ中部は松阪市内の2店舗をはじめ、59店舗中三重県内の10店舗が24時間営業。今年11月には、名古屋市中川区でも24時間店舗をオープンさせる。

 イオンは東海地方では、トヨタ自動車の本拠地である愛知県豊田市と同県半田市、岐阜県美濃市、三重県明和町の4店舗で24時間営業を実施。近畿地方を中心に121店舗を展開するオークワも、松阪市内の2店舗をはじめ、同じ三重県内の津市、名張市などでも5店舗を展開し、意欲的な拡大策を進めている。

 24時間営業スーパーが特に三重県内で目立つのは、同県最大のスーパーチェーン、マックスバリュ中部の存在が他社を刺激していることに加え、最近になってコンビニが増え始め、スーパー業界が対抗策を講じざるを得なくなったという事情もあるよう。

 またマックスバリュ中部では「四日市市の石油化学コンビナートや鈴鹿市の自動車工場など、深夜に仕事が終わる会社員の来店が見込めることも大きい」と話している。(中日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030814-00000013-cnc-l24