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2003年08月14日(木) 15時12分

<新ウイルス>住基ネット一時停止 旅券申請影響 東京・世田谷毎日新聞

 世界的規模で広がっている新種のコンピューターウイルス「Blaster(ブラスター)」=別名LovSan(ラブサン)=による感染被害に絡み、東京都世田谷区が住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の運用を停止していたことが分かった。住基ネットのサービスを受けられなくなっており、新種ウイルスの影響が一般市民にも及んだ形だ。

 コンピューターウイルス対策の一環として、住基ネットの運用停止が明らかになったのは初めて。

 区が運用を停止したのは12日夕。同区では保有する2000台のパソコンのうち、約100台が感染した。住基ネットのコンピューターへの感染は確認されていないが、住基ネットは不正なアクセスを防ぐシステム(ファイアーウオール)を介して、感染被害に遭ったパソコンが接続している庁内LAN(構内情報通信網)とつながっている。住基ネットのサーバーは、今回ブラスターの攻撃対象となったマイクロソフトの同じ基本ソフトを使っているなどしているため、「万全の対策を採る必要がある」として、区は同日、「住基ネットセキュリティー会議」を急きょ招集し、一時運用の停止を決めた。

 今のところ運用再開のめどはたっておらず、来週明けにずれ込む可能性もある。

 住基ネットの運用停止に伴い、区は転出入などで変更のあった区民約3000人分(13日午後5時現在)の最新データを都に送信できなくなり、この人たちは住基ネットのサービスを受けられない状態になっている。例えば、6月からパスポート取得申請の際に住民票の写しの提出が不要になったが、区は当面、都からの本人確認の問い合わせに個別に応じている。

 世田谷区情報政策課は「万一のため安全対策として停止した」と話した。

 ◇空自3基地末端で感染

 また、防衛庁によると航空自衛隊の市ケ谷、十条(東京都)、春日(福岡県)の3基地で一部端末に感染が確認されたが、庁内全体のシステムに影響はなかったという。

 ◇他都市のモデルに 

 住基ネットに詳しい園田寿・甲南大教授(刑法、情報法)の話 コンピューター技術はブラックボックスの部分が多く、ウイルス被害やネットワーク障害が予想もつかない別の問題を引き起こすこともあるから、世田谷区の今回の措置は妥当だと思う。ファイアーウオールも万全とは言えない。庁内のパソコンで感染が確認された際の同区の対応は、他の自治体のモデルになると思う。【臺宏士、篠田航一】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030814-00001062-mai-soci