2003年08月11日(月) 11時45分

＜ヤミ金融＞出資法違反容疑で五菱会本部を家宅捜索（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱会による組織的ヤミ金融事件で、警視庁と４県警の合同捜査本部、静岡県警は１１日午前、出資法違反（高金利）容疑で静岡市清水庵原町の五菱会本部の家宅捜索に着手した。同容疑で指名手配している同会系貸金業総括経営者、梶山進容疑者（５３）が、ヤミ金融の収益を同会本部に提供していたとみており、同会の組織的関与、山口組本部への資金の流れについて全容解明を目指す。ヤミ金融事件で五菱会本部への強制捜査は初めて。

　調べでは、梶山容疑者と、同会系ヤミ金融グループ「ＴＯ」社長、松崎敏和容疑者（３４）は、東京都内でグループ傘下の１６店舗のヤミ金融を経営し、０２年４月上旬〜１２月中旬ごろ、札幌市内の主婦（４７）ら６人から法定金利の２８〜３８０倍の総額約１２３万円を利息として取り立てた疑い。梶山容疑者はＴＯなど都内２２グループ、計１０００店舗以上を統括していたとみられる。

　捜査本部はこれまで同会東京事務所（東京都渋谷区）などの捜索を通じて、ヤミ金資金の流れの解明を進めてきた。その結果、同会本部にかなりの資金が流れていたとみられ、さらに同会本部から山口組にもヤミ金資金が上納されていた疑いが強まった。このため、資金の流れの全容解明には、同会本部への強制捜査が不可欠と判断した。

　梶山容疑者は「ヤミ金の帝王」と呼ばれ、同会の事実上ナンバー２とみられている。捜査本部は今回の捜索で、梶山容疑者の所在確認も進める。【田中義宏】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030811-00001035-mai-soci