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2003年08月08日(金) 15時05分

農水省が「肉骨粉肥料」焼却要請へ、国費数億円を投入読売新聞

 BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の発生を受け、出荷停止の措置が取られていた肉骨粉類を使った肥料について、農水省は、肥料業界に焼却処分を要請する方針を固めた。

 肥料は家畜の飼料とは無関係だとして1年半以上も出荷停止の解除を待っていた在庫は全国に1万トン以上あるが、農水省は「牛に誤用される恐れが皆無ではない」と最終判断した。焼却費用の一部は国が負担し、数億円規模の税金が投入される見込み。

 一昨年9月に国内初のBSE感染牛が見つかった事態を受け、農水省は同年10月、牛への誤用を避けるため、肉骨粉類を使う飼料や肥料などの製造、流通、使用を全面的に停止する指導を業界に通知し、家畜の飼料については法律でも製造・使用を禁止した。

 ただ、肥料については、果物などの甘みを増すリン酸を多く含み、果樹農家などからの需要が高い上、牛の飼料とは無関係とみられたことから、肥料業界から出荷停止の全面解除を望む声が相次いでいた。

 農水省はこれまで、病原体の異常プリオンが不活性化する熱処理がされた蒸製骨粉だけを使ったものや、鶏豚だけを原料にしたものなど、安全性が確認された肥料の出荷や製造の再開を段階的に認めてきた。

 一方で、BSE発生前から在庫として残っていた肥料の大半については、感染の恐れがある牛の特定危険部位(頭部や脊髄(せきずい)など)が混入している可能性があるとして取り扱いが保留のままとなっていた。

 しかし、農水省の専門家会議はこのほど、「使用方法によってはBSEの感染源となる可能性も否定できず、肥料として流通させるべきでない」との最終判断を示した。

 焼却処分の要請を決めた同省消費・安全局は、「出荷停止の解除の有無を決めるための安全性の評価に時間がかかった」と説明する。

 焼却費用の一部は国が負担するものの、出荷停止の解除を待っていた肥料業者側は納得がいかない様子。ある肥料会社の幹部は、「肉骨粉入りの肥料の多くは、苦みやからみがあり、とても動物が食べるような味ではない。在庫の保管料など経費の負担が会社の経営を圧迫しており、結論を出すなら早くしてほしかった」と憤る。

 ◆肉骨粉類=牛や豚、鶏を処理した後のくず肉や骨から作られる肉骨粉、骨粉、血粉などを指す。BSEの病原体の異常プリオンが含まれる可能性があるが、従来は、牛以外の家畜の飼料や農作物向けの肥料の原料などとして一般的に流通していた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030808-00000107-yom-soci