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2003年08月07日(木) 03時14分

<盗難通帳>不正引き出し 10年前の7倍以上毎日新聞

 盗難通帳による預貯金の不正引き出し問題で、全国の郵便局の被害額が10年前の7倍以上に膨らんでいることが6日、日本郵政公社の調べで分かった。郵便局では昨年度1年間で約28億円もの被害が出ていることが既に明らかになっているが、公社はこのほど、過去10年間にさかのぼって全国のデータを集計した。特に、昨年度の被害額は前年から一挙に2.6倍となっており、社会問題化している不正引き出しの急増ぶりが初めて裏付けられた。

 同公社の集計によると、93年度の被害は649件、3億8370万円。その後99年度までは、被害額は約3億〜6億円、被害件数は約600〜700件程度で推移してきた。

 しかし、ピッキングなどによる空き巣被害が急増した00年度から増え始め、同年度は953件、7億8235万円と件数、被害額とも前年の約1.5倍に。01年度は件数こそやや減少したものの、被害額は10億円を突破。さらに、昨年度(1396件、27億7676万円)は件数で前年度の約2倍、金額で同約2.6倍にまで急増した。

 こうした被害の増加について、同公社は「断定はできないが、窃盗グループによる空き巣の件数増加と連動しているとみられる」と分析。パソコンの普及などによる印影や健康保険証の偽造技術の進歩なども増加傾向に拍車をかけているようだ。

 また、昨年度の被害をみると、「盗み役」「引き出し役」など犯行グループで役割分担が進んでいる傾向があり、組織化と手口の巧妙化が昨年度の急増の背景にあるとみられる。

 同公社では今年4月から、通帳にある照合用印影(副印鑑)からの偽造を防ぐためホログラムを施したシールを張るなどしているが、新規、更新分と希望者に限られているため、今のところ十分な効果は出ていない。【江田将宏】

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