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2003年08月07日(木) 15時12分

「パソコン壊せ」 ヤミ金融、摘発に備え証拠隠滅手引書朝日新聞

 山口組系暴力団五菱会系の貸金業者による組織的な出資法違反事件で、末端の店に、警察の摘発を受けた際の証拠隠滅を指示する手引書が備えられていたことが警視庁の調べでわかった。融資内容が保存されたパソコンなどを壊せという内容で、警視庁は、組織全体が違法行為を承知で営業していたことを示す事実とみている。また、収益の多い店長に報奨金を出し、低い店長は降格させるなど徹底した「成果主義」で組織を引き締めていた。

 手引書は、元暴力団組員の松崎敏和容疑者(34)=出資法違反容疑で逮捕=が「社長」として束ねる「TO」グループ傘下の店や、別のグループの店から警視庁が押収した。警察官が家宅捜索に来たら、「パソコンはハンマーで壊せ」「携帯電話を水に浸して使えなくせよ」「顧客データの入ったフロッピーディスクは破棄せよ」などと指示していた。

 作成者は不明だが、警視庁は組織全体を仕切る「会長」の元暴力団幹部、梶山進容疑者(53)=同法違反容疑で指名手配=の指示で作られたとみている。

 また、複数の店長は組織の幹部から「逮捕されても、営業内容をしゃべるな。(勾留(こうりゅう)期限の)20日間を我慢すれば300万円用意してやる」と言われていた。

 一方、松崎容疑者は傘下25店の店長を集めて毎月、会議を開いていた。収益の低い店長に原因や対策を報告させ、説明が不十分だと「分析が甘いのに対策が取れるか」などと叱責(しっせき)。事前に設定された収益目標に届かない店の店長を従業員に降格させることもあった。

 逆に業績が上がれば、月20万〜50万円の基本給に加え、100万〜約300万円の業績給が支給された。数カ月に1度開く懇親会の場で、報奨金として50万円か100万円を渡したり、海外旅行をプレゼントしたりして発奮を促した。昨年4月、東京ドームを借り切って店対抗野球大会も開き、競争心をあおっていたという。

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<五菱会系貸金業者による出資法違反事件>

 梶山、松崎両容疑者は「TO」グループ傘下の貸金業者だった田中章彦被告(38)=出資法違反罪で起訴=らと共謀、昨年4月から12月にかけて計49回、金を貸し付けた札幌市内の主婦(47)ら6人から法定の約49倍にあたる125万円の利息を受け取ったとされる。五菱会系の貸金業者は最盛時、約1000店あり、収益は年間約1000億円あったとされる。

(08/07 15:11)

http://www.asahi.com/national/update/0807/024.html