2003年08月06日(水) 03時00分

ヤミ金融事件：システム金融の手口考案　手配の梶山容疑者（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱会による組織的ヤミ金融事件で、出資法違反（高金利）容疑で指名手配された同会系貸金業総括経営者、梶山進容疑者（５３）が、多重債務者に次々と別の業者を紹介して借金を膨れ上がらせる「システム金融」という手口を考案していたことが５日、警視庁など合同捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、梶山容疑者の指揮の下、同会が東京都内１０００店舗以上の業者に地方の多重債務者を勧誘させたため、全国にヤミ金被害が広がったとみている。

　調べによると、梶山容疑者は００年ごろから都内でヤミ金店舗を展開し、「ＴＯ」グループ会長となった。来店客相手の面接方式から非面接方式に切り替え、多重債務者リストに載った地方の債務者に対しても、ダイレクトメールや電話で積極的に勧誘した。

　多重債務者に対し、グループ内の新たなヤミ金業者を次々と紹介して借金額を膨らませる手口は、梶山容疑者の考案とされる。被害者団体はこの手口を「システム金融」と呼び、ヤミ金融の悪質性を示すとみていた。

　梶山容疑者はＴＯのほか、同会系の下部組織が作った「ＦＣ」「ＡＲオフィス」など計二十数グループ、１０００店舗以上の業者を統括。これらの業者が同様の手口で顧客を勧誘し、全国にヤミ金被害を急速に拡大させる結果となった。【田中義宏】

［毎日新聞８月６日］ ( 2003-08-06-03:00 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030806k0000m040143000c.html