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2003年08月06日(水) 03時13分

<吉良温泉>10年前に源泉枯渇 「天然」を偽装 愛知県調査へ毎日新聞

 天然温泉を売り物にする三河湾国定公園のリゾート地、愛知県吉良町の「吉良温泉」の源泉が約10年前に枯渇していたことが明らかになった。だが、現在も地元観光組合は源泉の枯渇を利用者に公表せず、パンフレットには泉質や効能を掲載、組合加盟の宿泊施設も上水道を沸かすなどして営業を続けている。同県自然環境課は「天然温泉が枯渇したにもかかわらず、泉質や効能を表示していることが事実なら問題」として不当景品類及び不当表示防止法違反の疑いで現地調査を開始する方針を決めた。【井上章】

 19宿泊施設でつくる吉良温泉観光組合や同町によると、源泉の所在地は同町宮崎地区。放射能泉の冷泉(湯温15.9度)の天然温泉として1955年に県から許可を受けた。当時は宿泊施設は5〜6カ所だったが、温泉ブームの波に乗り宿泊施設も増加した。だが、源泉の利用が増えるに伴って湯量は減少、90年前後に、ほぼ枯渇した。地元ホテルなどが91年に新たな源泉を求めて掘削したが、湯量は確保できず、現在に至っている。

 天然温泉を求めて同町の宿泊施設を利用する観光客は、不況の影響もあって96年の約52万人をピークに減少、昨年は約31万3000人に落ち込んでいる。組合側は新たな源泉開発を検討しているが、「設備投資費用の確保が困難で、具体的な掘削のメドは立っていない」という。

 組合が現在もパンフレットに「泉質は放射能泉。神経痛、リウマチなどに効果がある」などと記載していることについて、早川雅美組合長は「新たな源泉を早急に確保しなければと、思いながら影響の大きさを心配して枯渇したことを公表できなかった」と弁明している。

 一方、天然温泉を重要な観光資源として位置付ける町もホームページで「ラジウム温泉で浴用に加熱。リウマチなどに効果」などと記載していたが、毎日新聞の取材後に削除した。源泉枯渇を公表せず、観光PRを続けたことについて、山本一義町長は「4月に初当選したばかりで、知らなかった。町ホームページを見て、現地を訪れた方々には大変申し訳ない。今後は町としても源泉開発に力を入れたい」と話している。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030806-00000141-mai-soci