2003年08月05日(火) 13時19分

＜ヤミ金融事件＞暴力団の最高責任者を指名手配（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱会による組織的ヤミ金融事件で、警視庁と５県警の合同捜査本部は４日、同会系の「ＴＯ」と呼ばれるヤミ金グループ社長で住所不定、松崎敏和容疑者（３４）を出資法違反（高金利）容疑で逮捕し、同会系貸金業総括経営者でＴＯグループ会長の住所不詳、梶山進容疑者（５３）を同容疑で指名手配した。警視庁は、梶山容疑者がＴＯグループなど二十数グループのヤミ金組織の最高責任者とみており、五菱会の組織的関与の解明に向け、行方を追っている。

　捜査本部は４日から５日にかけ、東京都渋谷区代々木２、五菱会東京事務所など数十カ所を同容疑で家宅捜索した。

　調べでは、松崎容疑者らは都内でＴＯグループ傘下の十数店舗のヤミ金を経営していたが、０２年４月上旬〜１２月中旬ごろ、４９回にわたり、札幌市内の主婦（４７）ら６人に計５２万６０００円を貸し付け、法定金利の２８〜３８０倍の総額１２５万円を利息として取り立てた疑い。

　利息は、店舗で直接受け取るほか、豊島区内の銀行支店など３カ所に開設した店長名義の口座に振り込ませていた。松崎容疑者は月１回のペースで都内のホテルなどで開く店長会議で「売り上げを増やせ」と指示し、１店舗当たり年間約３億円の利益を上げていたとみられる。松崎容疑者が潜伏していた新宿区内のマンションからは現金約８００万円、豊島区内の信用金庫の貸金庫からは現金２０００万円が押収された。

　梶山容疑者は「都内のヤミ金の帝王」と呼ばれ、五菱会の前身の陣内組幹部だった。今年春まで港区内にある月九十数万円の家賃のマンションに住んでいた。警視庁は梶山容疑者らから、かなりの資金が五菱会に流れていたとみている。ＴＯグループなどのヤミ金融事件はこれまで１６店舗を摘発し、逮捕者は２６人になった。【田中義宏、川辺康広】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030805-00001041-mai-soci