2003年08月04日(月) 23時24分

＜ヤミ金＞今年上半期の被害者約１６万６０００人に　警察庁（毎日新聞）

　今年上半期（１〜６月）のヤミ金融による被害者が約１６万６０００人に上り、９６年の統計開始以降最多だった昨年１年間の被害者数（１２万２０００人）を既に上回ったことが４日、警察庁の調べで分かった。検挙者数、被害額も昨年を超えた。同日、東京・霞が関で開かれた「全国ヤミ金融事犯捜査担当者会議」で、瀬川勝久・警察庁生活安全局長が報告した。同庁は９月を「取締強化月間」に指定し、集中的な摘発に乗り出す。

　報告によると、今年上半期のヤミ金融事件の検挙件数は２２９件で、検挙件数の統計を始めた９０年以降で最多だった昨年１年間の２３８件にほぼ肩を並べた。検挙者数は４６９人（昨年４４６人）、被害額は１７３億７０００万円（同１５９億円）に達した。

　改正貸金業規制法・出資法のうち、「罰則強化」「無登録業者の広告禁止」「一定以上の高金利の契約無効」が先行して９月１日から施行されるのを前に、４日開かれた会議には警察庁や全国の捜査担当者約１６０人が参加した。

　瀬川局長は訓示で、６月に大阪府八尾市で厳しい取り立てを受けた３人が自殺に追い込まれた事件を挙げ、「違法な高金利や脅迫的な取り立ては大きな社会問題」と強調。各警察本部が専従体制で臨み、連携して取り締まりにあたることで、背後にある暴力団など違法組織の徹底解明や検挙者への重罰適用、課税通報制度を利用した不法収益のはく奪に積極的に取り組むよう指示した。

【窪田弘由記】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030805-00000044-mai-soci