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ヤミ金融の被害額が今年６月末現在、１７３億７０００万円に上り、すでに昨年１年間を大きく上回ったことが、警察庁のまとめでわかった。被害者数も１６万６０００人で、過去最悪だった昨年１年間をすでに超えた。同庁は４日、都道府県警に対し、集中取締本部を設け、先日成立したヤミ金対策法を使って徹底した捜査をするように指示した。
６月末現在、ヤミ金事犯の摘発件数は２２９件で、統計を取り始めた９０年以降最多だった昨年１年間の２３８件とほぼ並んだ。摘発人数は４６９人で昨年１年間を２３人上回った。被害金額は同じく約１３億９０００万円、被害者数は同約４万４０００人それぞれ上回った。
こうした実態を受け、ヤミ金対策法（貸金業規制法と出資法の改正）が７月２５日に成立、８月１日に公布された。同庁によると、無登録業者が広告を出すこと自体が取り締まりの対象となったほか、取り立て行為として（１）社会通念上、不適当と認められる時間に電話したり、ファクスを送ったり、自宅を訪問したりする（２）正当な理由がないのに勤務先などに電話する──など具体的な行為が盛り込まれたため、取り締まりがしやすくなったという。
今年に入り、債務者らの口座に勝手に金を振り込んだ後、法外な金利を要求する「押し貸し」の手口が増えているが、これに対しても「要求罪」ができたため取り締まれるようになった。(08/04 19:04)