2003年08月04日(月) 00時00分

ヤミ金融被害、過去最高に 半年で昨年１年間上回る　　 （東京新聞）

　今年１月から６月までの上半期に全国の警察が摘発したヤミ金融事件の被害者数が約１６万６千人と、過去最多だった昨年１年間の約１２万２千人を４万人以上も上回ったことが４日、警察庁のまとめで分かった。

　被害総額も半年で約１７３億７千万円と、昨年１年間の約１６０億円を超えた。

　ヤミ金融をめぐっては、法外な金利による貸し付けや違法な取り立てが社会問題化。「ヤミ金融対策法」が９月から一部施行されるのに向け、警察庁は同日、各警察本部の担当者会議を開き、業者の隠し資産の発見や不法収益のはく奪など取り締まり強化を指示した。

　警察庁によると、上半期に摘発したヤミ金融事件は２２９件。過去最多だった昨年１年間の２３８件にほぼ並んだ。摘発人数も４６９人で、昨年１年間の４４６人を超えた。

　会議には各警察本部の生活経済事件と暴力団取り締まり担当者約１６０人が参加。警察庁の瀬川勝久生活安全局長は「法改正を踏まえて、警察の総合力を発揮し徹底した取り締まりと適切な被害者対策を進めてほしい」とあいさつした。

　罰則強化を柱とした貸金業規制法と出資法の改正法（ヤミ金融対策法）一部施行に合わせ、警察庁は９月を取締強化期間とし、各警察本部に集中取締本部を設置する。

　さらに（１）国税当局と連携して業者の隠し資産の発見に努める（２）組織犯罪処罰法などを活用して不法収益をはく奪し暴力団の資金源になるのを防ぐ（３）弁護士会などと合同相談会を開き被害者保護に努める—などを指示した。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20030804/fls_____detail__040.shtml