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2003年08月04日(月) 15時05分

牛肉セーフガード、関税増収は百数十億円朝日新聞

 今月から輸入牛肉の関税を引き上げた緊急輸入制限措置(セーフガード)で、04年3月末までの増税分の「臨時収入」が百数十億円に上るとの試算が明らかになった。牛肉の関税収入は制度上、使途が国内生産者向けに限られているため、農水省は来年度予算で消化しようと、事業の開拓や洗い出しを急きょ始めた。ただ、今回の措置自体、消費者不在との批判が強く、税収を「特定財源」的に扱っている制度そのものに改めて批判が出そうだ。

 牛肉の関税収入は輸入量が流動的として、表向きは税収額を見積もらないが、今年度の場合、同省は当初段階で例年並みの1000億円弱と見込んでいた。しかし、セーフガードの発動で、「生鮮・冷蔵」牛肉の関税が8月から年度末まで11.5%幅上がって50%になった。これに伴う税収増は、輸入量が今の水準で推移すると百数十億円になる勘定だ。

 牛肉の関税収入の使途は、限定的で固定的な経費とされ、大半が農畜産業振興事業団を経由して生産振興に使われている。同事業団は業務肥大化が指摘されてきたが、今回の措置に伴って、「ぬれ手であわ」で財源を積み増すことになる。

 同省内では、今回の関税引き上げに対する消費者や外食産業などからの批判を踏まえ、牛肉の履歴管理(トレーサビリティー)や家畜の糞尿(ふんにょう)の資源活用など、生産者向け支出の枠内で消費者にも利益となる「新味」の事業案も出ている。だが、「セーフガードに伴う税収は輸入急増で不利益を被った国内生産者に還元する」との制度の理念上、直接的に消費者や外食産業、流通業者向けに使うことは難しい。

 牛肉セーフガードの発動は過去2回あったが、引き上げ幅は数%で、今回ほどの増収効果はなく、増収分の使途についても大きな問題とならなかった。亀井農水相は記者会見で、今回の措置に関連して「生産者に(効率化などの)努力をしていただければ」と述べるにとどめ、消費者向けの具体的な対応は言及していない。(08/04 15:01)

http://www.asahi.com/business/update/0804/048.html