悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年08月03日(日) 03時23分

<和歌山地裁>2事件の判決文入れ替わる 訂正する規定なし毎日新聞

 和歌山地裁で、覚せい剤取締法違反事件の判決文の一部に別の毒劇物取締法違反事件の判決文がとじ込まれていた問題で、両事件の判決文が入れ替わっていたことが2日、同地裁の調査で分かった。覚せい剤事件は2審でミスが指摘されたが、毒劇物事件の判決は誤ったまま確定していた。地裁は訂正の方法を模索しているが、確定判決の訂正は「再審」以外に法令規定がなく、最悪の場合、判決が誤ったまま訂正できない極めて異例の事態になる。

 覚せい剤取締法違反の罪に問われた無職男(23)に対する和歌山地裁判決は今年3月7日にあった。先月4日、大阪高裁で控訴審判決があり、裁判長が「別の事件の判決の最終ページがとじ込まれている」とミスを指摘。高裁が職権で1審判決の妥当性を検討し、懲役2年10月とした地裁判決を破棄、改めて懲役2年8月を言い渡した。

 和歌山地裁が高裁の指摘を受けて調査したところ、1審判決の2日前にあった毒劇物取締法違反事件の判決文の最終ページと入れ替わっていることが判明。両方とも、判決理由の最後が途切れたり、前ページまでの内容とつじつまが合わなくなっていた。

 地裁などの説明では、両事件とも同じ裁判官3人で審理されていた。このため、判決文最後の署名が同じで、判決理由にも「シンナー」など同じキーワードが含まれており、担当職員が取り違えてとじ込んだらしい。

 民事訴訟法では今回のようなミスについて「裁判所が更正決定できる」と定めているが、刑事訴訟関連の法令には訂正を想定した規定はない。今回のケースでは被告への具体的な不利益もないため、再審にもなじまないという。【山本直】

 和歌山地裁総務課の話 ミスの原因も含めて調査している。確定判決や裁判記録を保存している検察庁とも相談しているが、結論は簡単に出そうにない。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030803-00000115-mai-soci