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2003年08月02日(土) 03時05分

<無免許教員>専修学校で授業 「高卒」資格に影響も毎日新聞

 大津文化ビジネス高等専修学校(大津市馬場2、外池和彦理事長)が、高校卒業資格が取得できる教育課程で、無免許の複数の教諭に授業をさせていたことが1日、分かった。退職した教諭の教員免許のコピーを提出するなどの手口で、実際はいない教諭がいるように装い、教諭不在の授業は別の科目の教員免許しか持たない複数の教諭に担当させていた。教育職員免許法に抵触する疑いが強い。外池理事長は、毎日新聞の取材に事実関係を認め、不正は01年度から始まり、現在も続いていることを明らかにした。同校を管轄することになる大阪府私学課は「事実なら、無免許の人が教えた単位は認められないし、補助金の見直しも考える」としており、同課程の1〜3年生約170人の生徒への影響が懸念される。

 問題の教育課程は「普通科ビジネスコース」。同校は、大阪府茨木市の私立高校との技能連携に基づき、同高校の委嘱を受けて94年、開講した。実質的な分校として、英語や日本史など週30時間の授業を行い、年間約60〜90人が同高卒業の資格を取得している。

 しかし、01年度からは、「地理歴史」の教員免許しかない教諭が「商業」「現代社会」を担当▽小学校の教員免許の教諭が体育の授業を行う▽臨時免許なのに更新を確認せずに家庭科の授業を続けさせる——など、延べ7科目で担当科目の免許のない教諭が授業をしていた。

 01年度には、退職した商業科の教諭から教員免許のコピーを取り寄せて茨木市の私立高校に提出。外池理事長の説明では、それ以外のケースについては、実態のまま同高校に報告していたというが、大阪府の毎年の検査が茨木市の高校での書類確認だけだったため、発覚しなかったらしい。

 外池理事長は、「経営上、必要な免許のある先生を集めることが難しく、教職員のやりくりが間に合わせになっていた。指摘は厳粛に受け止め、9月以降、在校生には責任を持って補講を行い高校卒業の資格が取れるようにしたい」と話している。【森田真湖】



 高校と技能連携する教育施設として同専修学校を指定している滋賀県教委は、94年の指定後、授業の時間数などについては調査していたが、教員の実態については把握していなかった。同県教委学校教育課は「公立学校には普段から足を運んでいるが、専修学校についてはあまり付き合いがなかった。そうしたことが背景にあるかもしれない」と話した。



 文部科学省教育制度改革室の話 高校の教員として教えている以上、当然、授業には科目の免許が必要。無免許で授業をしていたのが事実なら、明らかに問題だ。



技能連携

 高等専修学校などが普通高校と連携してコースを開設し、定時制や通信制の高校に在籍する生徒が専門的な技能教育を受けながら、高校卒業資格に必要な単位を取得する制度。

 本来は企業内学校などで学ぶ生徒らを対象に1961年に制度化され、当初は中学を卒業して就職した若者が高卒資格を取るために利用されることが一般的だった。しかし、近年は不登校などで高校を中退したり、高等専修学校側が生徒を募集するために開設するケースが増加。文部科学省も「近年、利用者の幅が広がっている」としている。

 学校教育法の施行令で定められ、制度を利用した教育課程を設けるには、都道府県教委の指定を受けなければならない。1年以上の修業年限と680時間以上の年間指導時間数が必要で、商業、工業などの技能教育を担当する教員の半数以上が教員免許を取得するか、同等以上の学力を持っている必要がある。科目などを変更する場合は、教育委員会に届けなければならない。また、教育委員会はカリキュラムや教員の資質などが基準を満たさないと判断した場合は、指定を解除することができる。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030802-00000178-mai-soci