悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月31日(木) 00時00分

三輪ブランド 信頼回復へ懸命中元商品の売り場に並ぶそうめん=奈良市二条大路南1丁目のイトーヨーカドー奈良店で朝日新聞・

そうめん産地表示問題から1年

 中元商戦も終盤。昨年夏、県外産を「三輪そうめん」の名で販売したとして、桜井市の大手そうめん業者3社が国から指導を受けた産地表示問題から1年が経過し、三輪そうめんの組合、大手業者は信頼回復へそれぞれの取り組みを続けている。

●業者● 地元増産や独自銘柄 
●組合● チェック体制厳格化

 産地表示問題は昨年7月、農水省が大手3社に対し、長崎などで生産された商品を県外産の表示をせずに「三輪そうめん」の名前で販売したとして、日本農林規格(JAS)法に基づき、改善を指示、社名を公表された。県三輪素麺(そうめん)工業協同組合は、三輪ブランドを守る目的で01年秋、大手3社を含む14業者を脱退させた。

  同組合によると、組合全体の生産量は、1箱18キロ入りで年間22万箱だが、14社の脱退で、今年の生産量は15万箱に減少した。ただし、脱退組は三輪地区内で独自ブランドを7、8万箱生産している。

  「三輪そうめん」の商標権を持つ組合は、組合が認める「本家」だけでは需要量に満たないと判断し、独自ブランドでも地元で生産された商品は「三輪そうめん」と表示することを許した。その代わり、組合は昨年冬から、組合の検査員2人を各社に毎月派遣し、生産設備や指定された小麦粉を使っているかなどを検査。「三輪」ブランドを守ろうと必死だ。

  植田一隆組合理事長は「信頼回復のためにも大きく宣伝したいが、そうもいかん。同じ三輪そうめんでも、組合のものと独自ブランドと2種類あり、消費者に分かりづらいから」という。

  組合が認めた業者にだけ、そうめんの束に金色の鳥居のマークが入った黒帯を巻くことが許される。「来年は独自ブランドも鳥居をくぐらせるか考えなくては」

  30日には、組合が岡山県の業者に同県産のそうめんを「三輪素麺」と表示しないよう求めた訴訟で、奈良地裁は表示を禁じる判決を言い渡した。

  大手業者の一つ「池利」は、組合からの供給分と自社生産で毎年7万箱を販売していた。しかし、偽装表示問題を受けて「地元生産」にこだわるようになった。今年から2万箱あった県外での生産をやめたため、需要に追いつかなくなった。

  そこで、製めん機などの生産設備を新たに導入し、今秋からの増産態勢に備えている。「組合の生産者も高齢化が進んでいる。これからは自助努力で、地元のものにこだわっていきたい」

  一方、大手業者の「三輪そうめん山本」は、県内産のほかに、長崎などで生産された県外産を「三輪」の名前をつけず、地元産も含め「山本」「大和」などを商品名に入れて独自ブランドに力を入れる。「使用する小麦粉も桜井市内から指定されたものを運んで使っている」。今年は、生産、販売ともに例年並みを維持しているという。

(7/31)

http://mytown.asahi.com/nara/news01.asp?kiji=2810