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2003年07月31日(木) 22時29分

ホルマリン使用のトラフグ出荷へ 長崎県の養殖業者朝日新聞

 長崎県のトラフグ養殖業者が、寄生虫駆除用にホルマリンを不正に使用していた問題で、県水産部や漁協関係者による「トラフグ養殖適正化対策協議会」は31日、使用歴のある166万匹の出荷を認めることを決めた。県は出荷停止と全量廃棄を求めていたが、法的な強制力はなく、出荷を希望する業者側に押し切られた。長崎のフグは東京、大阪など大都市圏を中心に出荷されており、消費者の強い反発が起きることは必至だ。

 この日の協議会で、県側は消費者に強い拒否反応があることを訴え、漁協側に出荷しないように求めた。しかし、漁協側はホルマリンの残留検査で大半が検出されていないことを主張。さらに、廃棄による経済的なダメージは大きく、多くの業者は倒産しかねないなどと訴えた。

 最終的に、協議会は(1)出荷前に再度ホルマリンの残留検査をする(2)使用歴があることを示す出荷票を添付する(3)胸びれの一部を切除して他のトラフグと区別できるようにする──などの自主ルールを決めたうえで、8月16日以降、出荷を解禁することを申し合わせた。

 金子原二郎知事は31日の定例記者会見で「残念だが、ホルマリンの残留が認められなかったことや、漁業者の経済的な苦境を考えると、出荷はやむを得ない」と述べた。

 山口県下関市の下関唐戸市場は「長崎県の検査で問題がないことが証明された」として、出荷されたフグを扱う方針だ。

 一方、消費者団体からは厳しい批判の声が上がっている。日本消費者連盟はすでに、ホルマリンを使用したトラフグに対して不買運動を起こすことを決めている。同連盟の水原博子事務局長は「あぜんとしている。消費者の信頼を大きく損なう行為だ。不買を各方面に呼びかけていく」と語った。(07/31 22:13)

http://www.asahi.com/national/update/0731/033.html