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2003年07月31日(木) 12時48分

<養殖トラフグ>出荷停止を解除 長崎・ホルマリン使用問題毎日新聞

 トラフグ養殖で寄生虫駆除にホルマリンが使われていた問題で、長崎県と関係漁協でつくる「トラフグ養殖適正化協議会」は31日、4月以降自主的に続けていたトラフグ出荷停止の解除を決めた。8月16日以降、態勢が整い次第、出荷するが、消費者団体などから批判も出そうだ。

 この問題は4月に発覚した。県内の養殖トラフグ約359万匹のうち約166万匹にホルマリンが使われたとされ、県内養殖業者の6割にあたる95業者(11漁協)が使用していたという。このため、協議会は使用トラフグの出荷を自主的に停止し、ホルマリン不使用の徹底、魚体の残留検査を実施した。

 しかし、ホルマリンの主成分・ホルムアルデヒドの検出量は、正確な検査ができる1PPM以上に満たず、専門家の安全性検討委員会は「人体への影響は、問題のないレベル」と判断した。

 一方で、県は「消費者の信頼を損ねた」として業者に自主廃棄を求め、公費負担による全量廃棄も模索したが、「公金投入は消費者の理解が得られない」と断念。最終的には「法的根拠はなく、業者の出荷を止められない」と了承した。

 31日の協議会では、出荷時に自主残留検査をすることやホルマリン使用履歴書を添付することなどを確認。ホルマリン使用かどうか識別できるよう胴ビレをカットすることも申し合わせた。

 トラフグ養殖のホルマリン使用を巡っては、熊本県で96年、真珠養殖用のアコヤ貝が大量死し、ホルマリンが原因でないかと疑われ、天草不知火海区漁業調整委員会が00年、全国初の使用禁止指示を出した。水産庁も81年以降、未承認医薬品であるホルマリンの使用自粛通達を出している。30日施行の改正薬事法でホルマリン使用が禁じられたが、有害性の科学的検証は十分でない。寄生虫駆除としては、加酸化水素水が承認されているが、割高で水温が高い夏場などに効き目が落ちるといわれており、有効な代替手段がないのが実情だ。

 出荷再開に、全国消費者団体連絡会の神田敏子事務局長は「消費者がホルマリンを使ったかどうか識別するのは難しい。出荷した場合、長崎の魚は買わないという動きが出てきて、イメージが悪くなるのでは」と話している。【古田健治、石川淳一】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030731-00001042-mai-soci