悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月31日(木) 03時34分

<年金給付>積立金取り崩し、5割以上の給付確保へ 厚労省毎日新聞

 厚生労働省は30日、8月末にも示す年金制度改正案で、経済情勢の見通しなどが狂い、将来の年金給付額が現役時代の平均所得の5割程度を割り込む際には、現在約147兆円ある公的年金積立金を取り崩し5割以上の給付を担保することを宣言する方向で検討に入った。経済情勢にかかわらず確実に給付される年金額の下限を明示することで、保険料納付率低下などに表れる若年層の年金制度への不信感を払しょくする狙いがある。

 同省は04年の年金改正案として、将来の保険料率を月額賃金の20%程度で固定し、年金給付水準を社会経済情勢の変動に応じ自動調整する案を示している。08年度以降の実質賃金上昇率を1.0%と想定し、モデルケースの2032年以降の給付水準については、現役時代の平均所得の52%(現行59%)を維持できると試算している。

 だが、前提の経済情勢や出生の動向に狂いが生じた場合、「下限」の52%を維持することは不可能になる。同省は1〜2%の経済成長率を見込み、将来の給付水準を50〜55%とする方向で再試算する方針だが、こうした水準は想定する経済情勢が違えば維持できない。

 そこで、経済成長率などが見通しより悪化し、50〜55%の給付水準が維持できない事態も想定。保険料徴収額がゼロでも5年分の年金給付が賄える金額である147兆円の積立金を取り崩し年金給付に回し、5割以上の給付維持を明示する検討に着手した。

 これに関連し、坂口力厚生労働相は30日、静岡県浜松市での講演で公的年金積立金について「100年先には20兆円もあればいい。残りは(若年者と高齢者の)人口構成のひずみの厳しい時の年金にプラスさせてもらう」と述べ、積立金で給付水準を下支えする考えを表明。また、社会保障関係の保険料について、「年金、医療、介護をひっくるめた保険料の限度をどうするのか明確にする時期に来ている。8月末か9月初めに小泉純一郎首相に提出したい」と述べ、医療保険、介護保険の保険料負担全体の上限を明示する考えを示した。【吉田啓志、鈴木直】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030731-00000159-mai-pol