悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月29日(火) 23時40分

<感染血液製剤>6419本中回収は13本 日赤毎日新聞

 肝炎ウイルスなどに感染した疑いのある献血が日本赤十字社の検査をすり抜けて輸血された恐れが出ている問題で、感染の疑いがある献血から造られた血液製剤が過去13カ月で計6419本出荷されていたことが日赤の調査で分かった。うち回収できたのは血漿(けっしょう)製剤13本だけ。期限切れで廃棄されたものを除いた大半は患者に投与されていた。

 出荷された血液製剤の約3分の2は、採血後の有効期間が短い血小板製剤と赤血球製剤。このため、日赤は有効期限が1年ある血漿製剤の回収に乗り出したが、医療機関に照会した結果、大半は既に患者に投与された後だった。回収された13本のうち、11本はB型肝炎ウイルス感染者、2本はC型肝炎ウイルス感染者の献血から造られたものだった。

 日赤は今後、コンピューターに記録が残っている95年まで追跡調査する予定で、感染の恐れがある血液製剤を投与された患者は数万人に上る見通し。厚生労働省は投与された患者が感染するリスクは極めて低いとみているが、日赤に対し、問題の血液製剤を投与された患者に肝炎検査などを呼びかけ、感染の有無を確認するよう指導する方針だ。

 現在の献血時検査では、肝炎ウイルスなどに感染直後、ウイルス量が少ないために検出できない時期(ウインドーピリオド)がある。このため、検査で感染が確認された献血者については、過去の献血歴も調査し、その血液から造られた血液製剤が使われないようにする必要が指摘されている。しかし、日赤はこうした追跡調査を十分行っていなかったことが6月に発覚。厚労省は同16日付で、調査の結果を報告するよう命じていた。

 29日に調査結果を同省に報告した日赤血液事業部の日野学・血液安全課長は「(安全対策に)至らなかった所もあるかもしれない。より安全な血液が供給できるよう、国と協議しながら考えていきたい」と述べた。

 厚労省の橋爪章・血液対策課長は「日赤が追跡調査をしていなかったことを(同省が)見抜けなかった責任を問われても仕方がないと思うが、調査はあくまでも日赤が自主的に実施すべきものだ」と話している。【須山勉】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030730-00000074-mai-soci