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2003年07月28日(月) 03時56分

<敷金返還訴訟>既に6件が解決 福岡21人集団提訴毎日新聞

 福岡県内の元賃貸入居者21人が家主側に総額約700万円の敷金返還を求めた福岡簡裁での集団訴訟で、家主側が請求通り認めたため原告が訴訟を取り下げたり、和解したりして既に6件が解決していたことが、分かった。請求額に対する返還率は平均で80%を上回り、訴訟を支援する福岡敷金問題研究会(共同代表・田中裕司弁護士ら2人)は2次訴訟も検討している。

 解決した6件の各請求額は37万5000円〜12万4800円。このうち1件は家主が自発的に請求額すべてを認めたため、原告が訴えを取り下げた。残る5件は和解で、うち1件は請求額がすべて認められた。この結果、6件の請求額計178万3191円に対する返還額は143万7200円(80.6%)となった。

 取り下げた1件は、同県太宰府市の女性(28)が2年半住んだアパートを今年2月に退去する際、家主が「原状回復」の特約を盾に、破れていない網戸や襖(ふすま)などの交換費として、敷金14万4000円のうち12万4800円の返還を拒んだ内容。女性は「新規入居者のためのリフォーム代まで支払わせるのは不当」と提訴。直後に家主は「後味が悪いので、全額戻すから裁判を辞めてほしい」と連絡してきたという。

 判例の多くは、退去時の賃借人の負担は故意・過失による損壊などに限られ、普通の生活で生じる傷や年数が経過して壁紙が黄ばむなどの経年劣化は原状回復義務を負わないとしている。福岡敷金問題研究会の田中弁護士は「賃借人だけでなく家主側にも原状回復の意味を誤解している人が多く、敷金は本来戻る金だということを今後も裁判で訴えていきたい」と話す。

 敷金を巡る集団訴訟は福岡県が全国2例目(5月30日提訴)。先発の関西地区は2次にわたり計80件起こされ、うち42件が原告勝訴や和解などで解決。1650万円の請求額に対して1270万円(平均返還率77%)の返還が決まっている。

 同研究会は8月9〜10日、敷金110番(092・761・1199)を受け付ける。時間は午前10時〜午後5時。

【荒木俊雄】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030728-00000127-mai-soci