悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月28日(月) 15時27分

<サービス残業>“隠し”が悪質化 パソコン記録を改ざん毎日新聞

 タイムカードの廃止、パソコン記録の改ざん——。残業したのに割増賃金が支払われない「サービス残業」問題で、労働基準監督署などの監視が強まるなか、“残業隠し”が悪質化している。中には厚生労働省が是正のために出した指針を逆手にとるケースもある。

 厚労省は今年5月に出した指針で、労働時間の管理を明確にするためタイムカードやICカードによって客観的な記録を残すことを原則とした。ところが、逆にタイムレコーダーを撤廃する会社が出てきている。

 都内の不動産会社に勤める50代の営業職女性の職場では今年4月、タイムレコーダーから、手書きで勤務時間を書き込む形に変わった。残業時間の確認があいまいになり、超過勤務手当など数万円分が削られた。女性は「以前はカードを見れば残業時間が一目瞭然(りょうぜん)だったが、今は書き直されていて分からない」と怒る。

 また、パソコンに出退社時間を打ち込むよう変更した職場でも、打ち込まれた時間を会社側が勝手に改ざんするソフトを使う例がある。東京労働局の幹部は「パソコンで労働時間を管理していたある事業所では、月前半の残業時間は社員によってバラバラなのに、残業が一定の時間を超えると労働時間がすべて同じになっており、明らかに改ざんされていた」と話す。

 一方、残業のさせ方も巧妙化している。サービス残業に関する相談を受けている東京地方労働組合評議会の東京労働センターには、首都圏の金融関連会社に勤務する男性の家族から相談があった。男性は毎日午後9時ごろ帰宅すると1時間ほど休み、近くの会社施設に同僚とともに集められ、未明まで残業させられている。いったん家に帰るため、残業代はつかない。また、オフィスの電気を消し、電気スタンドや懐中電灯の明かりでパソコンの仕事をさせる例もあるという。

 同センターの前沢檀(まゆみ)室長は「社会の目が厳しくなるにつれ残業隠しも陰湿、悪質化しており、過労死にもつながる。自分の権利と体を守るためにも、働く人たちがサービス残業は違法行為だという意識を持つことが大事だ」と話している。【東海林智】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030728-00001057-mai-soci