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2003年07月28日(月) 14時11分

大手も参入、中古PC市場拡大 市場は新品の1割規模朝日新聞

 家庭や企業の使用済みパソコン(PC)を買い取って再生し、再び販売する中古パソコン市場が拡大している。市場は03年度に100万台を超える見通しで、出荷が伸び悩む新品の約1割にあたる規模だ。低価格が最大の魅力で、中古専門店に加え、NECなどの大手メーカーも7月から市場に参入した。10月からは個人の使用済みパソコンの回収が義務化され、拡大に拍車をかけそうだ。

 日本IBMは今月初旬、中古専用の新ブランド「IBMリフレッシュPC」を設立。企業向けリースなどで使われた自社製品を再生し、量販店などで全国販売を始めた。本体に品質保証を示すシールを張り、有料だが補修態勢も整えた。

 使用済みパソコンはデータの消去や外観の清掃、部品交換、動作確認などを実施。店頭価格は機種によって幅があるが、「3年前に発売した約20万円のノート型が3分の1から半額程度」(担当者)。再生台数は月間千台前後だ。

 一方、パソコンの国内シェア(市場占有率)首位のNECも22日、中古市場への参入を発表した。今年1月に始めた使用済み機の再生受託業務を拡充し、個人からの買い取り制度を整備。新品同様に再生し、6カ月間の無償修理を保証した「NECリフレッシュPC」として店頭に並べる。

 下取り額は、02年1月に約18万円で販売されたノート型の上限が7万1千円で、査定によって減額される。「製造元が責任を持って再生するので、データ流出や基本ソフト(OS)などのライセンス問題が起きる心配がない」(担当者)のが利点という。

 大手メーカーはこれまで「中古品を扱うと新製品が売れなくなる」と中古市場への参入に否定的だった。だが、「市場が年率10%で成長し、無視できなくなった」(NECの森田信パーソナル企画本部マネジャー)という。

 市場調査会社のミック経済研究所によると、00年度に75万4千台規模だった中古市場は、03年度に113万2千台になる見通し。再生業者を通らない販路や個人同士の売買もあって正確な統計はないが、「個人譲渡などを含めると、03年度中に120万台規模になる可能性もある」とマルチメディア総合研究所の中村成希研究員。

 一方で新品も価格は下がっているものの、国内出荷台数は、電子情報技術産業協会によると、00年度の1210万台をピークに、02年度は984万台と低迷している。

 こうした中古市場拡大の背景には、割高感のある新品が敬遠される▽メールとインターネットだけ楽しむ消費者は高機能の新品を求めない▽3〜4カ月ごとに発売される新品に魅力的な新機能がない——などがあるとみられる。

 回収や再生販売の経路は多岐にわたる。ノート型が人気で、03年度は市場の約6割を占める見通しだ。「中小企業や私立の学校での導入が増えている」と中村研究員。また、「ブローカーのような外国人が中古品をまとめ買いしていく例もある」(業界関係者)と、海外需要が拡大している可能性を指摘する声もある。

 今年10月から個人の使用済み機の回収・再資源化がメーカーの義務になるのも追い風だ。電機大手は回収時の消費者負担を3千〜7千円と決めている。こうした負担を嫌って中古市場に持ち込むケースが増えるとみられるからだ。

 中古パソコンの販売業者は、「市場はますます大きくなる」と意気盛んだ。中古専門店を含め約40店を展開するソフマップは、中古品販売店のフランチャイズ化を始めた。東京・秋葉原や大阪・日本橋などの電気店街への集中出店だけでなく、郊外や地方への出店ですそ野を広げる戦略だ。

 同社は、02年度の中古品の売上高約250億円を05年度に500億円と倍増させる目標で、直営とフランチャイズ合わせて70〜100の新規出店を計画するなど鼻息が荒い。「中古市場で最も重要なのは買い取り。窓口が広がる意味は大きい」と話している。(07/28 13:08)

http://www.asahi.com/business/update/0728/064.html