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2003年07月25日(金) 07時07分

商品売買隠れみの 新手ヤミ金融仙台狙う河北新報

 高速道路の回数券などの売買名目で高利で貸し付ける「チケット金融」をはじめ、商品売買を装った新手のヤミ金融が仙台市などで広がる恐れが指摘されている。ヤミ金融を規制する貸金業規制法など関連法の改正案が近く成立する見通しで、摘発を逃れるため商品取引を隠れみのにするとみられている。これまでも紹介屋や架空の借金の返済を迫る「空貸し」など新手の手口は首都圏、関西圏から地方の拠点都市に広がる傾向にあり、新たな被害への警戒が必要だ。

 チケット金融は、業者が代金後払いでチケットを客に渡し、指定の金券ショップで換金させる。業者は後日、額面の支払いを求める仕組み。額面10万円で換金率が8割の場合、差額の2万円が利息に相当する。

 東京、大阪などでは既に被害が表面化し、摘発例もあるが、業者側は商品販売を盾に「貸金業ではない」と反論。貸金業規制法や出資法の適用を受けないと主張している。

 チケット金融は既に仙台市内に事務所を構え、「被害相談が数件ある」(宮城県貸金業協会)という。

 大阪では最近、下着や化粧品を介在させた高利貸し付けが横行している。業者は客にリストから商品を選ばせ、客が6万円分の商品を指定した場合、現金4万円と商品を渡し、1週間後に代金として6万円の支払いを求めるという手口。

 ヤミ金融の元社員は「今後は商品取引を絡ませた手口がはやる。東京、大阪の次は資金需要者の多い仙台、福岡、札幌がターゲットになる。仙台は地元のヤミ金融が少ないから、うまみが多い」と言う。

 今回の改正案は(1)法人の罰金を最大1億円に引き上げる(2)上限金利を超えた貸し付けは利息分を無効にする—などが柱。ヤミ金融が絡んだ犯罪の抑止効果を狙っているが、盲点も指摘されている。

 出資法は貸金業者による貸し付けの上限金利を年29.2%と定めているが、個人契約の場合は年109.5%と高い。改正案は無効となる利息の金利を109.5%以上と規定した。

 東京都貸金業協会の佐藤弘弥常任理事は「ヤミ金融は業として継続的に貸し付けをしており、個人契約の上限金利を基準にするのはおかしい。個人契約と言い逃れるヤミ金融が増えるだろう」とみる。

 宮城県貸金業協会は「被害相談は首都圏の業者に関するケースがほとんど。今回の規制強化で被害が激減するとは思えない」と懸念している。


◎「指10本送れ」ヤミ金融電報配達は違法

 ヤミ金融業者が送り付けた脅迫的内容の取り立て電報で精神的苦痛を受けたのは内容を知って配達した側にも責任があるとして、大阪府などのヤミ金被害者18人が24日、NTT西日本(大阪市)に対し、それぞれ20万円の慰謝料支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 「指を10本送れ」といった電報による悪質な取り立てが各地で問題となっているが、NTTの責任を問う訴訟は初めて。別の被害者らが8月にもNTT東日本(東京都)を提訴する予定。

 訴状などによると、原告らは今年1—5月にかけ、「金を返す気がないのなら、とことん追い込む」「独自の回収方法で身内や職場、近所まで迷惑がかかることになる」などと書かれた慶弔電報をヤミ金業者から送り付けられ、ノイローゼやパニック状態になるなどの苦痛を受けた。

 さらに、NTTは内容が慶弔でなく債権回収を目的とした脅迫であると認識しており、電文の受け付けや配達を拒否すべきなのに業者の恐喝行為に加担した—としている。
[河北新報 2003年07月25日](河北新報)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030725-00000009-khk-toh