2003年07月25日(金) 20時57分

毒ガス：環境基準の５３６倍のヒ素検出　茨城・神栖町（毎日新聞）

　茨城県神栖町で旧日本軍の毒ガスが原因とみられる有機ヒ素化合物が井戸に混入した問題で、環境省は２５日、現地で実施したボーリング調査などの結果を公表した。毒ガスそのものは見つからなかったが、環境基準の４５０倍の有機ヒ素化合物が検出された井戸の地下１５メートル地点から、環境基準の５３６倍という高濃度の地下水がくみ出された。専門家の検討会は「汚染井戸の近くに汚染原因がある可能性が高い」と推定、来月以降、汚染井戸を中心に再調査することを決めた。

　汚染井戸の地下水は、深さ６〜１４メートルまでは環境基準の６０〜１５０倍程度だったが、１５メートル地点で急に５３６倍に濃度がはね上がった。検出された有機ヒ素化合物は非常に純度の高い物質だった。

　同省は「かなり深い位置なので、過去にあった井戸に（毒ガスが）投げ込まれたか、浅い位置から徐々に沈んだのかもしれない」と話している。【永山悦子】

［毎日新聞７月２５日］ ( 2003-07-25-20:57 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030726k0000m040084000c.html