悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月24日(木) 00時00分

1億5400万円未償還 老人の高額医療費朝日新聞・

  昨年10月に導入された老人医療における高額医療費償還制度で、今年3月までの半年間に、県内で少なくとも2万8千人分計1億5400万円余りが未償還になっていることが23日、県保険医協会の調査で分かった。制度が高齢者に浸透しておらず、償還に必要な申請手続きが取られていないことが原因。未償還率は、印旛村や横芝町で6割以上となる一方、大栄町や和田町は1%未満で、市町村によって大きな差があることも分かった。

  償還制度は、高齢者医療の自己負担割合が増加したことに伴い導入された。70歳以上の老人医療対象者が外来受診を受けて、1カ月間の自己負担額が一定額(一般1万2千円、低所得者8千円など)を超えた場合に、市町村へ申請すれば超過額が償還される。

  しかし、県内の開業医らでつくる同協会が県内の市町村を調査したところ、償還が進んでいない実態が浮き彫りになった。79市町村のうち回答があったのは佐原市、鴨川市などを除く74市町村。

  償還対象は、昨年10月〜今年3月に高額医療費を支払った13万8千人余の計約8億800万円。このうち約2割に当たる2万8千人からは申請手続きが出されておらず、1億5400万円余りが未償還となっている。1人当たりの未償還額は平均で約5500円だった。

  同協会は、集計が済んでいない千葉市などを含めると、未償還額の合計は1億8千万円を上回ると試算している。

  同協会は申請が進まない原因として、手続きが煩雑なことや高齢者に制度が浸透していないことを挙げている。

  各市町村に周知の仕方について聞いたところ、53自治体は未申請者に郵送などで通知していたが、通知をしていない自治体が21あった。また、申請を郵送で受け付ける自治体がある一方で、窓口に行かなければ申請できない自治体もあり、高齢者の負担になっているとみられている。

  未償還率の高い市町村は、印旛村(65・9%)、横芝町(64%)などで半数以上が申請していなかった。市部でも松戸市、茂原市が4割以上未償還となっている。逆に未償還率が低いのは、大栄町、和田町で1%未満。市部では市川市、東金市などが低く、7〜8%だった。

  申請期限は2年間。同協会は「各自治体は制度の周知と対象者への個別連絡を徹底する必要がある。さらに申請がなくても償還されるように制度自体を見直す必要がある」と訴えている。

(7/24)

http://mytown.asahi.com/chiba/news02.asp?kiji=3262