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2003年07月24日(木) 12時18分

国民年金、未納が4割…納付率は過去最悪の62・8%読売新聞

 社会保険庁は24日の社会保障審議会年金部会で、自営業者らが加入する国民年金の2002年度の保険料納付率が前年度(70・9%)より8・1ポイント低下し、1961年度に制度が発足して以来、最悪の62・8%となったことを明らかにした。未加入者などを含めると、国民年金の適用対象者の4割が保険料を納めておらず、国民年金制度の空洞化が一段と深刻になっている。

 納付率は93年度(85・5%)から10年連続で低下を続け、今回、初めて7割を下回った。全国民に共通する基礎年金の国庫負担問題を含め、2004年の公的年金改革をめぐる論議に影響を与えるのは必至だ。

 年齢別では、20歳代の納付率が初めて5割を切った。20歳代前半は47・4%、20歳代後半は49・4%で、いずれも前年度より約7ポイント低下した。35—49歳でも9・5ポイントから11ポイント近く落ち込み、働き盛りの世代にも未納者が広がっていることを裏付けた。

 地域別では、全都道府県で納付率が下落し、青森県(17・3ポイント減)、宮崎県(16・7ポイント減)など東北、九州で下落幅が大きかった。これまで比較的納付率が高かった町村部で落ち込みが目立ち、前年度比マイナス10・7ポイントの71・1%となった。政令指定都市と市部は、それぞれ56・7%(5・6ポイント減)、62・1%(8・3ポイント減)だった。

 納付率低下の背景には、年金制度への不信感や、不況で保険料(月額1万3300円)の負担感が大きくなっていることが指摘されている。さらに、2002年度は〈1〉市町村が代行していた保険料の徴収業務が国に移管された〈2〉保険料を半額免除する制度が導入され、納付すべき人が30万人増えた——などの事情もある。社会保険庁は「国への業務移管に伴って対応が遅れたり、これまで全額免除されていた人の納付率が低かったりしたことが響いた」としている。

 納付率は、保険料が免除される低所得者などを除いて算出しているため、実際に保険料を支払っていない人はさらに多くなる。2001年度末では、国民年金が適用される2270万人のうち、免除者らも含めて約900万人分の保険料が支払われなかった。 

 国民年金の空洞化は、厚生年金加入者も含めて全国民に共通する基礎年金の収支を悪化させるため、「不公平感」が強まり、年金制度の根幹を揺るがしかねない。

 ◆コンビニ、ネットでも可に…厚労省が納付向上へ対策◆

 2002年度の国民年金の保険料納付率が過去最悪となったことを受け、厚生労働省は24日、徴収対策を強化するため「国民年金特別対策本部」(本部長・坂口厚労相)を8月1日にも設置することを決めた。今後5年間で「納付率を80%に引き上げる」との目標を定め、悪質な未納者に対しては、財産の差し押さえなど強制徴収を行うなどの対策を講じる。

 納付率の低い若年層対策としては、来年2月からコンビニエンスストアでも保険料を支払えるようにし、同4月にはインターネットを通じた納付も可能にする。さらに、免除制度の見直しを検討するほか、市町村から国への徴収事務移管に伴って、きめ細かな徴収対策が難しくなった現状を踏まえ、町内会など協力組織への依頼なども復活させる。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030724-00000203-yom-soci