2003年07月23日(水) 00時00分

「武富士」に情報漏えい 警視庁幹部らビール券受領は９００枚 （東京新聞）

　大手消費者金融「武富士」（東京都新宿区）の元社員に、警視庁幹部らが犯歴などの捜査情報を漏らしていた問題で、同庁は二十二日、武田三郎元警視正（５６）＝地方公務員法（守秘義務）違反容疑で書類送検、十八日付で退職＝を含む職員十四人（退職者五人を含む）が一昨年までの八年間に、武富士側から計九百数十枚のビール券を受け取っていた、との調査結果を明らかにした。同庁は「疑惑を招く恐れがある」として、現職警察官九人に対し、口頭で厳重注意した。

　同庁の調べでは、ビール券は一枚六百−七百円で、武富士元社員の中川一博被告（４２）＝業務上横領罪で起訴＝ら同社渉外担当者から贈られた。

　枚数は武田元警視正が最も多く、一九九六年から二〇〇一年にかけて四百枚。うち百枚は贈られた翌日に返還したという。武田元警視正とともに懲戒処分を受けた捜査一課警視（５３）は二百九十枚、赤羽署巡査部長（４８）は三十六枚だった。

　贈られたビール券の趣旨について、同庁は「中元、歳暮などの社会的な儀礼だった」などと説明しており、情報漏えいの見返りとの見方を否定した。

　一方、武田元警視正が中川被告に、部下の消費者金融からの借り入れ状況を照会した人数は、九七年八月からの約三年間で、八百四十人に上ることが分かった。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030723/mng_____sya_____010.shtml