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2003年07月22日(火) 12時22分

「いらっしゃいませ」接客係が患者案内…東京女子医大読売新聞

 東京女子医大病院(東京都新宿区、東間紘院長)で、外来患者を診察する「総合外来センター」が22日、全面オープンし、「接客係」のフロアマネジャーが患者を出迎えるサービスを始めた。

 一昨年、心臓手術で女児が死亡したミスを組織的に隠ぺいし、失墜した信頼を取り戻す試みの一環だ。病院再生の切り札になるかどうか。

 「患者さま、いらっしゃいませ。どちらの科にご用でしょうか」

 外来センターに入ると、そろいの制服を着た職員が患者を出迎える。5階建て建物の各階に、約20人が案内や誘導役として配置されている。職員たちは有名ホテル「ホテルオークラ」(東京)の接客担当者から訓練を受けてきた。ホテル並みのサービスで「冷たい大学病院」のイメージを一新する狙いがある。

 外来センター建築準備室長の高崎健副院長は「病院が生まれ変わるほどの改革をしないとつぶれる、との危機感があった」と言う。

 同病院は心臓手術ミス隠しで、全国の大学病院で唯一、高度医療を行う「特定機能病院」の指定を取り消されている。患者は1割以上減り、年数億円の国の補助金も削られた。今月19日には、ミスで亡くなった女児を含むこの病院の元患者16人の家族らが「被害者連絡会」を結成した。

 この病院は心臓、消化器、脳神経などの専門センターに分かれ、診察券もカルテも別々。同じ病院なのに1人で5、6枚の診察券を持つ患者もいた。センター間を幹線道路が突っ切り、検査などでの移動も大変。「患者本位にはほど遠かった」(高崎副院長)。

 新外来センターは、この縦割りを改め、外来患者を一手に引き受ける。入院や手術の患者を専門センターに振り分ける。電子カルテで診療記録を共有、会計や診察の待ち時間も短縮されるという。

 事件を教訓に昨年4月、「医療安全対策室」を設置した。事故や事故寸前のトラブルの報告件数は、以前の月30件程度から約700件に増えた。ミスを繰り返す医師を担当からはずしたケースもある。

 ただ、医師からの報告はあまり増えていない。高崎副院長は「事故を隠しようのない体制に変えていくことが、真に患者本位の病院になる条件」と話す。

 ◆東京女子医大の事故隠し=2001年3月、心臓手術を受けた女児(当時12歳)が、人工心肺の操作ミスで死亡。手術チームの男性医師2人が業務上過失致死罪と、事故を隠すため手術記録を改ざんしたとして証拠隠滅で逮捕、起訴された。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030722-00000001-yom-soci