悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月21日(月) 07時15分

夏の大停電回避へお盆操業 電力危機で夏休み分散産経新聞

 東京電力の原子力発電所トラブル隠しが発端となった真夏の「電力危機」。一部原発の再稼働で関東大停電の危機は遠のいたが、猛暑や故障で危機は再燃しかねない。こうした中で工場などの夏休みをずらし、電力需給に余裕が出るお盆時期に操業する「地道だが最も効果的な取り組み」(東京電力)の輪が産業界に広がっている。

 夏が書き入れ時のビール業界には、停電による生産停止は死活問題。キリンビールは、関東の3工場で平日の稼働時間を短縮し、8月14日−9月9日の間は休日出勤。サッポロビールも電力不足が予想される場合、千葉工場(千葉県船橋市)の稼働を昼間から一部夜間に振り替える。

 電機大手では、日立製作所が日立事業所(茨城県日立市、ひたちなか市)の夏休みを、当初予定の8月10−19日から同13−24日にシフト。東芝も発電機を製造する京浜事業所(横浜市鶴見区)で夏季は火、水曜日を休みにして土日出勤に振り替えた。

 メーカーのお盆操業に運輸業界も呼応。JR貨物は、8月11−18日の間、荷主工場の稼働に合わせ、貨物列車を昨年同時期より約7%多い896本とし、平日の45%程度の運行を確保する構えだ。

 夏季休日の分散化などの協力により、原発1基に当たる約140万キロワット分の効果があるという。東京電力の勝俣恒久社長は「大変ありがたい。以前は社員の帰省が絡み、お盆は休みをずらせない企業が多かったが、今年はかなり理解を得られた」と感謝する。

 ただ、「お盆稼働を検討したが、(原発の再稼働で)電力に余裕が出たことを知り、そこまでしなくても大丈夫では」(大手薬品メーカー)とのムードも漂い始めた。

 東電は「今の供給力はギリギリの状態。とても枕を高くして眠れる状態ではない」(勝俣社長)と、顧客企業の危機感のつなぎ留めに懸命だ。

http://www.sankei.co.jp/news/030721/0721kei073.htm