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2003年07月19日(土) 15時22分

<長崎男児殺害>ネット書き込み 法務省の削除依頼1100件毎日新聞

 インターネットの掲示板「2ちゃんねる」などで、長崎市の幼児誘拐殺人事件の補導少年だとする氏名の書き込みや写真の掲載が続き、法務省が管理人に削除依頼した件数は補導から1週間余りで約1100件に達したことがわかった。法務省は東京、福岡、長崎の3法務局で連日掲示板を確認する異例の体制を敷いているが、書き込みは減る気配がない。17日には東京で小学生4人の監禁事件が発覚しており、同じような行為が広がることも懸念されている。

 こうした掲示板は、閲覧者が匿名で自由に書き込みができ、少年が補導された9日から氏名などの書き込みが増えた。写真や学校、クラス、親の職業などを記入したものもあるという。両親とされる写真や別人の名前も交じっている。神戸市の中学生による小学生連続殺傷事件(97年)でも、少年の氏名や顔写真がネット上に流れたが、今回はそれをはるかに上回る勢い。法務省も「短期間にこれだけ多いケースは、経験がない」としている。

 少年法は、補導や逮捕された少年の実名や写真を「新聞その他の出版物」に掲載することを禁じている。ネット上の掲示板は対象とはされていないが、法務省は「少年法の趣旨にかんがみ、人権擁護上、放置できない」として、9日だけで二十数件の削除を依頼。10日には現場の長崎地方法務局だけでなく福岡、東京両法務局も加わり、チェック体制をとった。長崎法務局は17日までに688件の削除を依頼したが、このうち16日までに削除を確認したのは194件にとどまっている。

 森山真弓法相は、18日の記者会見で「氏名を掲載された少年が事件と無関係であれば、名誉棄損にあたる。いやがらせなど、新たな人権問題が生じる心配もある」と強い懸念を表明した。

 法務省によると、ネット上の人権侵犯として受理したのは99年17件、00年21件、01年39件、02年75件と急増。昨年5月施行のプロバイダー責任法で、被害者に情報発信者の身元の情報開示請求権を与えるなど対処策が導入されたが、「増殖現象」に歯止めを掛けるのは難しいのが実態だ。【堀井恵里子】

 【2ちゃんねる】西村博之氏が大学在学中の99年に開設したインターネットの電子掲示板。同年6月に起きた東芝クレーマー問題など「ネット告発」の舞台として注目を集めた。日本リサーチセンターが2000人を対象にした調査(昨年10〜11月)では、アクセス時間や件数を加味した順位は総合部門で4位、コミュニティー・掲示板部門では1位となっている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030719-00001047-mai-soci