悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年07月19日(土) 00時00分

渋谷を通って通勤しているが、いま渋谷で起きていることには無… 東京新聞


 渋谷を通って通勤しているが、いま渋谷で起きていることには無知であった。監禁された少女が、未成年者誘拐、逮捕監禁の容疑者に出会ったのは、ここ渋谷の街だった。一見、奇異で不可解に思われる事件なのだが、渋谷ではあり得ることと知って、今さらのごとく驚く▼昔は好きな街だったが、年配者には場違いな思いが強いだろう。子どもたちには、刺激にみちた、おもしろい街になっている。甘い誘いに警戒心を持つ年ごろになっていても、子どもたちはスリルに弱い。お金にも弱いのである▼その子どもたちを食い物にする大人たちがいるのは、驚きである。どんな悪いやつにとっても、子どもは守られるべきものだった。それが、平気で欲望の餌食となる。そして、悪行の背後には、紳士の仮面をかぶってはいるが、子どもたちの心と体を金で買おうとする大人たちがいる▼長崎の幼児殺害にもみるように、弱い者、幼い者が犠牲になる事件が目立つ。被害者の低年齢化は、社会が「卑怯(ひきょう)」になっていることの表れではないだろうか。犯罪の低年齢化も、大人の道義心の衰えと無縁ではないだろう▼いよいよ夏休みに入る全国の学校では「みなさん、気をつけましょう。お父さん、お母さんの手をはなさないで」と訓示した。「自分は自分で守りましょう」と諭した先生もいた▼ラテン語の格言に「人間は人間にとってオオカミである」とある。法律の必要性を説く根拠となった言葉。こんどの少女監禁は特異な事件ではあるまい。社会全体の猛省を促している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20030719/col_____hissen__000.shtml