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2003年07月18日(金) 00時00分

ネットで農産物の履歴追跡朝日新聞・

 県内産の野菜や果物への信頼性を高めるため、県は、消費者が生産から流通までをたどることができる「トレーサビリティー(履歴追跡)」の仕組みを、今秋からカキやミカンに採り入れることを決めた。消費者は生産者や産地のほか、使われた肥料、農薬の種類や量などをインターネットで調べられるようになる。来年度以降、他の品目にも広げていく考えで、県は「和歌山県産は安心できるというイメージを広げたい」としている。

 「トレーサビリティー」は、BSE(牛海綿状脳症)や食品メーカーの偽装表示問題などをきっかけに、大手スーパーや直売所などが採用を始めている。しかし、市場を通じて出荷された農産物は、小分けされたり、他の農家の物と交ざったりするため、流通経路の確定が難しく、導入が進んでいない。こうした農産物を対象にした仕組みを作ろうと、県は、消費者や生産者、研究者らで作る「トレーサビリティーシステム推進本部」(本部長=北川勝一・県農業生産局長)をつくった。

 このほどあった初会合で、県側は履歴の記録や追跡の方法を説明。農家が農薬や肥料の使用状況を記録する▽出荷時に箱や作物に番号をつけ、他の作物と交ざらないようにする▽消費者はインターネットのホームページで番号を入力し、情報を閲覧する−−などとした。

 委員からは「農薬の名前を知っても、消費者には安全かどうか分からない。使用基準などを示すべきだ」「県のお墨付きのマークがあればより安心できる」といった意見や、「農家が高齢者の場合、履歴の記録が大きな負担になるのでは」といった声もあがった。

 今後、消費者に開示する内容や方法を検討し、今秋出荷されるカキ、ミカンに試験的に導入する。制度を改善しながら、05年度にはすべての品目に広げていくという。

 下林茂文・県果樹園芸課長は「すべての作物の履歴が追跡できれば、県産農産物のイメージアップになる。他県産との競争力を高めるためにも、より信頼性の高い仕組みにしたい」と話している。

(7/18)

http://mytown.asahi.com/wakayama/news02.asp?kiji=1451