2003年07月08日(火) 15時21分

＜ネット架空請求＞口座閉鎖した銀行も　滋賀県の要望に応じ（毎日新聞）

　「インターネットのアダルトコンテンツの利用料を銀行の口座に振り込まないと法的措置を取る」などと架空の請求をメールや郵便で送り付け、現金をだまし取る被害が広がっている。この問題で滋賀県は都市銀行などに口座閉鎖を要望したところ、閉鎖に応じた銀行も出た。都道府県が銀行に働き掛けて口座閉鎖が実現したのは極めて異例という。

　この問題では、総務省や国民生活センターが注意を呼び掛けているほか、６月に警視庁が、全国８７万人に請求のメールを送り付け、９１２人から約２１００万円をだまし取ったとして、会社員ら２人を詐欺容疑で立件するなど刑事事件に発展している。

　滋賀県県民生活課によると、県民からの架空請求の相談が今年に入って急増し、県は２月に対策会議を設置した。５月には３５４件の相談が寄せられたため、県は財務省大津財務事務所に、被害状況とともに振込先となっている口座番号を通報。同事務所を通じて滋賀県内だけでなく、東京や大阪など全国の銀行に開設されていた１０口座以上の閉鎖を要請した。

　口座の閉鎖には強制力がなく、銀行側も守秘義務を盾に対応について明らかにしていないが、滋賀県は「１口座は閉鎖されたと聞いている」としている。

　金融庁によると、同事務所のケース以外で同様に口座を閉鎖した例はなく、極めて珍しいという。【柴沼均】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030708-00001110-mai-soci