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2003年07月01日(火) 10時11分

メチル水銀の許容量下げ WHO・FAO合同専門家会議熊本日日新聞

 世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同専門家会議(JECFA)は三十日までに、これまで一週間に体重一キロ当たり三・三マイクログラムとしてきたメチル水銀の摂取許容量を、半分以下の一・六マイクログラムに引き下げることを決めた。大人よりメチル水銀の影響を受けやすい胎児を十分に保護するため。この決定を受け、厚生労働省は一日、内閣府に発足する食品安全委員会に、国内での対応を諮問する。

 摂取許容量は、生涯取り込んだとしても健康に影響のない値とされる。厚労省によると、国民栄養調査での日本人のメチル水銀の平均摂取量は、引き下げられた許容量の七割程度という。

 現行の日本の魚介類の暫定規制値(総水銀〇・四ppm、メチル水銀〇・三ppm)は三十年前、JECFAの摂取許容量などを根拠に決められた。その際、「妊婦にはより厳格な運用が必要」と注記されただけになっている。

 国内の規制値見直しに関し、厚労省はこれまで「JECFAの結果を踏まえ必要な方策を考えていきたい」としてきたが、今回の結論に「直ちに変更に結び付くとは考えていない」としている。

 厚労省や国内の研究者によると、JECFAはメチル水銀の胎児への影響を探ったフェロー諸島(北大西洋)やセーシェル(インド洋)での調査結果などを検討し、引き下げを決めたという。フェロー諸島では、母子の追跡調査で、母親の毛髪水銀値十数ppm前後で胎児に影響が出ているとの結果が出た。

 今回は、これらの結果を基に妊婦の毛髪水銀値一四ppm程度で影響の出る可能性があると判断したとみられる。従来は、大人に症状の出るとされる毛髪五〇ppmを基に許容量が考えられていた。

 厚労省は六月三日、従来の摂取許容量を基に妊婦に大型魚(七魚種)の摂取を控えるよう注意したばかり。

http://kumanichi.com/news/local/main/200307/20030701000088.htm