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2002年06月28日(金) 12時44分

「幸運呼ぶ石」通販会社が20億円所得隠し 国税局告発朝日新聞

 天然鉱石トルマリンを使ったアクセサリーなどを通信販売して得た法人所得約20億円を隠し、6億5000万円の法人税を免れたとして、東京国税局は28日までに、通販会社2社を実質的に経営していた島田則康会社社長(41)を法人税法違反(脱税)の疑いで東京地検に告発した。税務調査を逃れるために、会社所在地の移転を計画的に繰り返し、清算して新会社を立ち上げるなどの工作をしていた。

 島田社長は容疑を認めているという。

 通販会社は「ディプロ」と「シンコム」。「幸運を呼ぶ石」「身につけると異性にもてる」「アメリカで人気」などのうたい文句で、トルマリンを使ったブレスレットやペンダントなどのアクセサリーを1万円前後で通信販売していた。占い雑誌などに広告を掲載して宣伝し、安価なことから若い女性たちが購入していたという。

 売り上げの一部だけを税務申告する方法で、ディプロは99年3月期に6億8000万円の所得を隠したとされる。シンコムも同様に99年から00年にかけて12億7000万円を隠したとされる。いずれも当時は赤字申告だったという。2社は既に清算しており、実質経営者の島田社長だけが刑事告発の対象となった。

 関係者によると、ディプロは、97年に東京都豊島区で設立。98年5月に同じ豊島区内で移転した。99年3月には静岡市に移転したが、3カ月後に解散。さらに同年9月に清算した。

 一方シンコムは、98年に新宿区で設立。ディプロが荒稼ぎをした直後の99年3月にディプロの業務を引き継いだ。00年1月には大阪市に移転したが、1カ月後に解散し、同年5月に清算した。

 利益を出した直後に、登記上の所在地を移転したり、会社を清算して新会社を設立したりしていた。また島田社長は、2社の役員にはつかず、自分の名前が表にでないようにしていた。同局は税務署の管轄が異なる地域に移転することで、調査をすり抜ける目的だったとみている。

 また、2社は税務調査に備えて、帳簿や会計データ、領収書などの関係書類を会社に保管せずに廃棄していたという。(12:44)

http://www.asahi.com/national/update/0628/014.html

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