1999年01月21日(木) 00時00分

京都府警警部補を収賄容疑で逮捕 京都新聞

 京都府警五条署の警察官が、京都市内の宝石販売業者から、警察の摘発を免れる方法を教えた見返りに、多額の現金と商品券を受け取っていた不祥事で、府警捜査二課は二十日夜、収賄の疑いで同署警備課係長(警部補)の浦窪聖一容疑者(49)=京都府相楽郡木津町相楽台六丁目=を、贈賄の疑いで京都市下京区の宝石販売会社「ウェディング」社長の中坊進二容疑者(36)=京都市中京区御幸町通御池下ル=と専務の藤川吉昭容疑者(34)=京都市東山区祇園町南側=を逮捕するとともに、五条署や同社など十五カ所を捜索した。府警は同日付で浦窪容疑者を懲戒免職にした。

 京都府警の警察官が汚職事件で逮捕されたのは初めて。府警から懲戒免職者が出たのは、昨年七月、当時の銃器対策課次席(警部)が短銃の部品を密輸入し、府警本部内の更衣ロッカーに短銃や実弾多数を隠し持っていたとして逮捕されて以来となる。

 府警の調べでは、浦窪容疑者は一九九七年十二月下旬、中坊容疑者経営の宝石販売会社が客とトラブルを抱えていたことを知り、府警に訪問販売法違反で摘発されないための方法を指導し、助言した謝礼として、下京区の喫茶店で中坊、藤川両容疑者から商品券二十万円分を受け取ったほか、九八年八月上旬、下京区のホテルで、両容疑者から現金計百五十万円を受け取った疑い。

 中坊、藤川両容疑者は浦窪容疑者に謝礼として現金と商品券を渡した疑い。

 三人は現金などの受け渡しがあったことは認めている。中坊容疑者は逮捕前、代理人の弁護士を通じ「訪問販売法違反で検挙するとたびたび脅され、金品を要求された。自分たちは恐喝の被害者で、贈賄には当たらない」と話している。

 これまでの調べでは、浦窪容疑者は現金を受け取った際、実印を押した借用証を書いたうえ、印鑑証明を添えて中坊、藤川両容疑者に渡していた、という。府警は、現金の授受を借金に偽装していたとみて三人を追及し、三人の間での金の流れの解明を急ぐ。

 府警によると、浦窪容疑者と中坊、藤川両容疑者は中坊容疑者の会社が開いたイベントの警備の関係で知り合った、という。

 浦窪容疑者は一九六八年に警察官となり、本部公安課や木津署などを経て、九四年に警部補に昇任した。九五年から五条署に勤務していた。

 属憲夫・京都府警本部長の話 警察官によるこのような不祥事が発生し、府民に対する信頼を裏切ったことは、極めて遺憾であり、深くおわびします。府警として事件の全容解明に全力を尽くすとともに、事件を厳粛に受け止め、昨年に続いての不祥事発生を重大危機と認識し、信頼回復を図るべく指導を徹底したい。

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/99jan/21/06.html

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