Yahoo! - ＜永代供養＞「高野山釈尊会」を出資法違反で捜索　大阪府警＝替（毎日新聞）

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1999年9月28日（火） 12時12分

＜永代供養＞「高野山釈尊会」を出資法違反で捜索　大阪府警＝替（毎日新聞）

　真言密教の開祖、空海が開いた「高野山」の仏舎利宝塔（和歌山県）を舞台に、東京都台東区の永代供養権販売業「高野山釈尊会」＝葉山敏夫総裁（６５）＝が、元金保証をうたい文句に不特定多数から多額の金を集めていた事件で、大阪府警は２８日午前、同社本店と東京都大田区田園調布３の葉山総裁の自宅など十数カ所を出資法違反（預かり金の禁止）容疑で一斉に捜索した。ネズミ講に似た手法で金を集めており、総額は今年上半期だけで約２６００人から約１１億円にのぼっている。府警は、同社が何の権利もないとみられる供養権を販売したり、破たんを予見しながら出資者を募集し続けていた疑いもあるとみて、葉山総裁らから事情を聴くなどして全容解明を急いでいる。

　このほか、強制捜査を受けたのは、名古屋市中区栄１の同社名古屋支社と、同じビルにある内田正利・同社元社長（４９）の自宅など。

　調べでは、同社と葉山総裁、内田元社長は、永代供養権の購入のほか「会員を紹介して権利を購入させる度にリベートを受け取ることができる」などとインターネットなどで宣伝。今年２月から６月までに、解約時の元金返還を約束したうえで、大阪市内の主婦ら１０人から１７回にわたって計７３５万円を預かった疑い。ほとんどが利殖目的で投資していたとみられる。このほか、同時期に全国の約２６００人から計約１１億円を集めた疑いが持たれている。

　府警によると、葉山総裁は仏舎利宝塔を所有する塔頭（たっちゅう）寺院が巻き込まれたトラブルの解決に手を貸したことでつながりが深まり、一時期、宝塔の所有権や墓地の永代使用権を有していたことがある。しかし、１９９４年７月、この所有権などをめぐる訴訟で、宝塔は塔頭寺院、永代使用権は金剛峯寺に帰属するとの司法判断がなされたという。その後、寺側と販売代理契約が結ばれ、釈尊会が販売の権利を有したが、一昨年１０月に解除された。

　府警は、永遠に会員が増え続けなければ破たんする「ネズミ講」的仕組みであることや、会員から「元金が返還されない」などの苦情も出ていることなどを重視。詐欺容疑も視野に入れて慎重に捜査を進める。

　一方、愛知県警も同日、内田元社長が経営する愛知県内の日用雑貨販売会社などを、別の出資法違反容疑で捜索。大阪府警と並行して事件の全容解明を進める。

　関係者によると、所有権のない宝塔での供養権販売を進めた葉山総裁とネズミ講に似た商法を推奨する内田元社長の間で深い対立があり、今年６月ごろからは内部分裂の状態にあったという。

［毎日新聞９月２８日］ ( 1999-09-28-11:51 )

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