ice-d さんからのお便り

私は、札幌市のice−dと申します。地元で、就職情報誌を発行している会社が運営している「SOHO」の掲示板でこちらをご紹介していただき、やってきました。

実は、今年4月までテレアポ営業をしていました。そのときの話をお知らせしたく、メールを差し上げた次第です。いまはその会社を退職し失業中の身ですが、私が経験してきたことをお知らせすることで、何らかのお役に立てていただければと思います。

さて、その内容ですが「インターネットを使ってちょっとした仕事が出来る」というもので、パソコンとインターネットについて学べるCD−ROMをセットして約50万円というもの。メインターゲットとなるのは20〜30代の男女。このくらいの年齢層が一番興味を持ってくれるので売り込みやすいのです。

そういった人たちの情報源は2つあります。まずは名簿。テレアポ業界では定番です。同窓会名簿や社員名簿、自治体や官公庁の職員名簿などを使います。こういった名簿を販売する業者もいるようです。この中からピックアップしてDMをおくります。もう一つは、企業に電話をかけて聞き出す方法。このとき自分の会社名を出して、「インターネットに関する資料を送る」旨を説明して対応した人の名前を聞き、その人宛でDMを発送します。また、あたかも国の出先機関の様な名前で(交通安全リサーチセンターとか)電話して、「個人宛でアンケートをおくりたいので」と切り出し、名前を数名挙げて貰って、うち一人にDMをおくります。一日あたり30件以上がノルマでした。DMの中身はパンフレット・金額を記載した物・申込用紙の3点で、申込用紙には「締め切り日」が書いてあり、発送日から1週間後に設定しています。ここまで来れば準備完了。後は締め切り日に再度電話をして、営業開始です。

営業時、机の上に模造紙で作った「トーク集」を広げて行います。これには「基本トーク」(話の根幹になる物で、こちらで見かける言葉が結構使われてます)と「応酬トーク」(客が言ってきたことに対する返答集)に加え、マシンのスペックなどが書いてあり、まさに「どっからでもかかってこい!」状態の仕様です。トークは常に「まくし立て」ながら行い、「実は今日が締めきりで、あなただけ連絡が取れなかったので、取り急ぎ電話しました。このお電話で2.3確認させていただければ、他の方同様に正式なお申し込みとなりますので、是非この機会にご参加ください!」と言う「テレアポ営業の定番パターン」で住所・名前・生年月日等を聞き出し、申し込みさせます。あとは、管理部の人間に変わってもらって確認して(その会社では「番通」といっていた)終了。ローン用紙と詳細な資料(といっても、DMに同封の物と同じ)、返信用封筒を入れ宅急便で即日配送します。また同時に信販会社に事前審査を依頼します。

あとは、届いた頃に追求し書類を回収すれば全て終了、晴れて「会員さん扱い」となるわけです。営業時は自分でリストアップした物以外に、同業他社の物を使うこともありました。どこから来るのかは不明ですが・・・。また、退職した社員の物も使いました。実際、私が辞めるときも「リストは置いていけ!」といわれました。頭にきたので「トーク集」も置いていきました。

さて、契約後はどうなるのか?これがまた凄い!(凄いより鬼畜と言った方がよいかも)「顧客台帳」に記録されデータベース化して別部署に送られ、徹底的に転がします。私もその部署に2週間ほどいたことがあるのですが、人によっては十数件の購入記録がありました。しかもローンが終わるか終わらないかくらいに、次の支払いが始まっています。(ちなみにその部署もテレアポ営業で、専用のトークが存在します。)巷で言われている「カモリスト」は存在していると言えますね。はっきり言って「悪徳」そのものです。

自分も「テレアポ営業はウザイ!」と思っていたのですが、会社の業務とは言え、まさか自分が手を染めるとは思っても見ませんでした。こちらのサイトを始め、悪徳商法を取り扱っているサイトをよく見ますが、改めて「自分が悪徳商法の片棒を担いでいたこと」に、今更ながら恥ずかしい気持ちでいっぱいです。会社名を出そうかと思いましたが、仲間は凄くイイ奴ばかりでしたので、それを思うと出すか出さないか凄く迷っています。いま、新しい就職先を探すべく動いています。一応営業職を考えていますが、面接のときに必ず「営業方法」を聞くようにしています。また、同じ過ちを繰り返さないように・・・。

営業方法変わっても、営業テクニックは役に立つでしょう。でも、人間関係はテクニックじゃ無いですよ(^^)。

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