ずんきち さんからのお便り

 私は中国・上海市で働く日本人です。最近、上海にも日本で流行の悪徳商法が流入してきたらしいので、その一部始終をお知らせいたします。

 先日、オフィスで仕事をしていた私の携帯電話あてに、一本の電話がかかってきました。

「はい、ずんきちです。」(日本語)
「……あんた、日本人、それとも中国人?」(中国語)
「日本人ですけど……。何か?」(中国語)
「当社は×××デベロップカンパニーと申します。お得な情報をお伝えしたくてお電話を差し上げました。」(中国語。会社名を名乗るスピードが速くて聞き取れず)
「すみません、どちらの会社の方ですか?仕事関係のことでしたら、恐れ入りますが、オフィスにお電話下さい。」(中国語)

と、ここで一旦、電話を切ると、1分もしないうちにまた電話がかかってきました。

「(すごく怒った口調で)あんたねー、会社の電話番号をこっちは知らないんだから、勝手に電話を切るなんて失礼でしょう、このバカ!」(中国語)

私はここで初めて“おや?変だぞ”と思いました。なぜなら私の携帯電話番号を知っている中国人は取引先企業の担当者だけだからです。そんな人が私のオフィスの電話番号を知らないわけがありません。

そこで、中国人の同僚に電話を変わってもらい、応対してもらうことにしました。

「失礼ですけど、どちら様ですか?日本人の同僚があなたのお話しを聞き取れないのでお電話代わりました。」(上海語)
「当社は……(以下省略)。おめでとうございます!携帯電話の番号を無作為に抽選した結果、あなたの同僚の日本人が、見事当社の懸賞に当選されました!つきましては、商品のお引渡しをしたいので……。」(上海語)

もちろん、私は同僚にすぐさま電話を切ってもらいました。最近、上海も日本と変わらなくなってきたと思っていたら、とんだ商売が登場してきたものです。あー、こわい。

悪徳商法は、グローバル・スタンダードのようですね。

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