Scully さんからのお便り

はじめまして。オモシロ半分で読み始めましたが、だんだん真剣に読んじゃいました。世間知らずのうちの姉にも教えなくちゃ!

実は、悪徳商法にはあてはまらないかもしれないのですが、銀行の商法にちょっと疑問を感じてる話を聞いて下さい。

去年、姉は置引きの被害にあい、バックに入っていた財布の中から、現金、カード、免許証等をぬすまれてしまったんです。暗証番号が単純で免許からすぐ割り出せた(生年月日)ので、東京三菱銀行口座の預金全てが盗難から40分後に引き出され、更に同行のカードローンで140万円借りられてしまいました。(同行の場合、キャッシュカードとローンカードは一体型)

警察、銀行等への届け出は既に済ませましたが、三菱銀行によれば「手続上、何ら問題はないのでカードローンの140万はお客様に返していただきます」とのこと。

通常クレジットカードは盗難保険に入っていますがキャッシュカードには保険が無いんです。姉は40才で独身。大学院を出てからずっと親元で生活していますが、もともと専門が博物学関係の物書きなので、あまり安定した収入は無く、たいてい失業状態。

突然全ての預金を無くし、さらに140万円の借金を負わされ普段から質素に暮らしていますが、本当にみじめな状態に。人が聞いたら「マヌケな話」と笑われてしまうかもしれませんが、「死にたい」と言って泣いていた姉の姿は本当に哀れでした。この悔しさ悲しさは一生忘れられません。

三菱に対しても必死に交渉しましたが、

  1. カードローンの金利は現在年8%だが、このまま銀行にお金を返さなければ債務はやがて保証人であるカード会社(DCカード)に移行し、年利は30%に増えてしまう
  2. 犯人はビデオに写っているが、大事件でもないので警察が掴まえられる見通しも薄く、万一みつかっても返済能力がなければ同じこと

であるので 「誠にお気の毒としかいいようがないが」大人しくさっさと払った方が良いとのことで、とりつくしまもありませんでした。

この様なトラブルに対し、私達が住んでいる茨城県下の地方銀行は犯罪によって受けた被害については100%保険で顧客を守っています。都内で全面的な保険対策を講じている銀行は住友銀行だけらしいのですが、この様な情報はあまり明らかにされていません。

今回の件について、東京三菱の担当者が、保証人であるDCカードの担当者と話をしているのを聞いている限りでは、他銀行とDCの間にはある種の保険契約があるらしいのですが、東京三菱だけはそれに加入していないとのこと。

いいことばかりをうたってお客を集めるより、そういうことの方が私達にとっては大切なのに。何故この様な不均衡を隠して放っておくのでしょうか?どうしてもそういう保護策を講じられないなら、口座開設の時に十分警告をする、(グレーの小さい字で書いた規約を渡して終わり、じゃなくて)もしくはカードローンのカードとキャッシュカードを別々にする、等の措置がとられていもいいと思うのですが。(カードローンなんてそもそも希望していなかったのに)

・・・ぬるま湯に慣れすぎてマヌケだったのは、うちの姉ぐらいかもしれませんが、Debitカードを使って買物もできる時代、犯罪者は次々に高度な手口をあみ出すでしょう。三菱銀行はずっと知らん振りを続けるのでしょうか。

悲しい思いをする人が増えないよう、何らかの形でこの事件を公にしたいと思いました。でも東芝の件ほどセンセーショナルな話じゃないのでムリ・・・?

実は犯人の写真ならあるんです。警察でこのビデオを見たのですが、眼鏡をかけた普通のサラリーマンが姉の鞄(女物のショルダー)を持ってATMを操作し、そのまま出ていくところが映されていたんです。「このビデオから写真をおこして貼り出したりできないのですか?」と聞いたところ、銀行が今後警察に協力してくれなくなる(銀行のイメージダウンになるから)から駄目とのことでした。警察も、ましてや銀行も何もしないよ、ということ。

隙を見てビデオから写真をとったのですが、それ以上どうしたらいいのかがわからず、そのままです。スキャンして何処かに公開してもムダかなぁ・・・と思ったりはするのですが。

結局、銀行側とは東京弁護士会の弁護士さんにお願いして(最低レベルの依頼料で)折衝してもらいました。「暗証番号の照合さえなされれば金融機関に責任が無いという考え方は、全面的に納得ができるものではない」という趣旨の通知書を作り、交渉を申し入れた結果、ローンの件は「DCカードの所掌だから」ということで今度はDCカードとの交渉に。140万を100万にまけてもらって、父から借りて返しました。姉の結婚費用に、と父がこつこつ貯めていたお金から・・・

長々書いてしまってごめんなさい!でも機会があったら暗証番号と三菱には気をつけてね、ってことで、いろいろな人に伝えられたらと思っています。

パスワードなどの管理責任を、一方的に片一方に押し付けるのも、これからは変わって行くでしょうね。まだ、難しいかも知れませんが。

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