kazuyuさんからのお便り

最近とても面白い体験(?)をしたのでそのお話をさせていただきます。

6月27日(日)に、地下鉄日比谷線に乗っているときのことです。多分銀座だったと思いますが、私の隣りに40過ぎくらいのおじさんが座りました。5日は剃ってなさそうなひげ。ワイシャツ・ネクタイ姿に何かのキャンペーンで着るようなビニールのブルゾン。でかい態度で足を組み、靴が私の膝にぶつかっても気づかない様子。そんなだらしない雰囲気は“まっとうな人”にはとうてい見えませんでした。私は本を読んでいたので、靴を避けただけであまり気にせずにいくつかの駅が過ぎてゆきました。見るとおじさんは何やら紙を見ていました。そしてその紙の冒頭にには、

「標準化話法」

というワープロ文字。

紙は2枚あり、見えているのはどうやらその内の1枚め。箇条書きで何やら書いてあり、左の余白にえんぴつで書き込みがしてあります。紙を持つ手で隠れている部分もありますがいくつかが読めました。

「要旨」「電気を入れる」「暗示」

!!!

私は端に座っていたので手すりにもたれるように体勢を変え、そのおじさんの方を見やすいようにし、本を見るふりをしてその内容を読もうとしました。おじさんはどうやら暗記をしているらしく、時々紙を二つにたたみ、ブツブツつぶやいます。この合間に何とか読み取った文章は、

「これは将来的にテレビなどの用に普及するものですから…」
「ミクロマッサージ…」
「電流が9500ボルト流れてますがチクリともしません…」
「疲れてドロドロになった血液がさらさらに…」
「慢性症の治療につかわれていて…」

そして「暗示」の横には「足から振動が入って…今夜はよく眠れるでしょう…」とありました。

おそらく商品名と思えますが

「ネオドック」

という文字も見えました。「ミクロマッサージ」を使った「健康器具(医療器具?)」のようです。

おじさんの手が邪魔で完全には読めなく、またおじさんの暗記もなかなか進まないようで、残念ながら2枚目の紙は見ることはできませんでした。そしてその2枚目で完結しているのかも…。

内容はかなり細かいようで「靴を揃える…」など話し方だけでなく行動まで指示してあり、きっちりしているように
は見えました。が、この程度のマニュアルでかなり高い(であろう)商品を売り付けることができるのでしょうか。どう見ても胡散臭い、こんな人に誰が騙されるんだろう、なんて考えていると、もしかしたらこのおじさんは、これ
から誰かを騙すつもりですでに騙されちゃっているのかも…とも思えちゃいます。

地下鉄が恵比寿に着いて私は電車を降りましたがおじさんはそのまま乗っていきました。よっぽどついて行ってみようかとも思いましたが、用事があったもので…。

ここ(悪マニ)のサイトを知る前からもこのような商売が多いことは知っていましたし、胡散臭い勧誘に会ったこともありました。しかし「暗示」などと、はなからいかさまを承知でこんなマニュアルを作るなんて驚きもあり、また最近は「東芝問題」でこの「悪マニ」を毎日のように訪れているこのグッドタイミングに遭遇したこともあり、しばらくは興奮が収まりませんでした(もっとも怒りではなく、面白がってですが)。

※「ネオドック」の噂は聞いたことありますか?

よろしくネオドッグ?

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