注射すれば体内の脂肪を溶かして体外に排出するとうたった未承認の医薬品を許可なく販売したとして、広島県警は9日、広島市安佐北区あさひが丘4丁目のエステ機材販売会社「プロジェクトバーン」(井上安幸社長)の事務所などを薬事法違反(無許可販売)の疑いで家宅捜索した。
調べでは、同社は医薬品販売業の許可を受けていないのに、06年8月ごろと今年5月ごろ、大阪府内の女性(37)に、厚生労働省から承認されていないイタリア製の「リバイタルセルフォーム」と呼ばれる脂肪溶解剤と、新陳代謝促進剤、薬剤を注入するための注射器を計約11万円で販売した疑い。
厚生労働省によると、同様の使用法と効果をうたった商品で国内で承認を受け、一般に流通している医薬品はないが、美容外科の医師などが個人輸入で使用する場合は違法にはならないという。
以前「リバイタルセルフォーム」を用いていた大手美容外科によると、施術した患者の一部から腫れが生じたり痛みが残ったりするという声が寄せられたため、使用を中止したという。