同研究所の観測によると、震源は過去に地震があまり起きていない「空白地帯」に位置している。震源域は海岸に近く、「内陸直下型地震」の部類と推測される。数十地点を超える観測点の地震波形の比較などからユーラシアプレートが南東方向に動こうとする力とフィリピン海プレートが北西に動こうとする力がぶつかり合って圧縮力が働いた逆断層型の地震とみられる。20〜30キロの長さで断層が動いたと予想されるという。その後の余震も、この断層沿いで続いている。
また、国土地理院(茨城県つくば市)は全地球測位システム(GPS)により、石川県志賀町富来が南西方向へ約25センチ、同県穴水町大町で北西方向へ約13センチ動いた、と暫定的な観測結果を発表した。北東から南西に向かう長さ約21キロ、幅約14キロの断層が、南東側が北西側に乗り上げるように約1.4メートルずれ、地震が起きたと推定している。
海底活断層は一般にはあまり知られていない。2年前の福岡沖地震も、それまで存在が知られていなかった海底活断層が引き起こした。
しかし、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は今回の震源付近の海底で以前に実施した調査で、活断層とみられる地形を多数確認していた。海底地質図を作る作業の中で見つけたという。「詳しい解析が必要だが、このうちのいずれかが動いた可能性がある」と同研究所活断層研究センターの岡村行信チームリーダーは話す。
「沿岸域の海底活断層は大きな被害を及ぼす恐れがあり、調査を進める必要がある」と島崎邦彦・東京大学地震研究所教授は指摘する。
http://www.asahi.com/national/update/0326/OSK200703250268.html