スティールは今週末までに、サッポロの昨年末時点の株主約3万5000人に対し、議決権行使をスティールに委任するよう求める文書を送付する。スティールは反対の理由について「(新防衛策は)株主が買い付けの提案に好意的な場合でも、取締役会が買い付けを遅延させたり、阻止したりすることを可能にする」としている。
新防衛策の可否は、出席株主の議決権の過半数で決まる。スティールはサッポロ株を1月1日現在で18.64%(共同保有含む)保有。サッポロによると、スティールを含めた外国人株主の比率は約3割という。
これに対し、サッポロは「慌てることなく例年通り、粛々と株主総会に臨むだけ」(同社広報)と冷静だ。同社の株主総会は例年、全株主の7割程度が議決権を行使するが、事前に権利行使を会社側に一任する株主がほとんどで、潜在的な安定株主比率は高いと見ているからだ。
現在は一部の大株主に議案の説明をして回っているが、「例年通りの対応で、委任状争奪戦という意識は全くない」と、楽観的だ。