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学習塾経営の「修学社」（東京都渋谷区、現「エス・サイエンス」）で社内のコンピューターを不正に操作し、同社名義の預金口座から２億５５００万円をだまし取ったとして、警視庁捜査２課は１２日、同社の元部長、今井宏容疑者（４６）ら７人を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表した。
２億５５００万円は同社名義の預金口座からネットバンキングを通じて流出しており、捜査２課は、不正操作の手口の解明を急ぐとともに、だまし取った金の使途についても調べている。
ほかに逮捕されたのは、同社元経理主任、伊藤和孝（３２）、同社子会社の役員、竹本直哉（３９）、配管工、西尾嘉之（４２）の各容疑者ら。
調べによると、今井容疑者らは昨年８月１日夜、渋谷区代々木の当時の本社内で、経理用のコンピューターを操作し、同社の預金口座から、西尾容疑者名義の銀行口座に２億５５００万円を振り込むようネットバンキングの予約手続きを行い、だまし取った疑い。
この予約の通り、翌２日朝に全額の振り込みが実行され、同日中に西尾容疑者らが２億５５００万円を全額引き出していた。同社が被害に気づいたのは、通帳を記帳した２日後だった。
コンピューターの操作には専用のパスワードが必要で、同課では、今井、竹本両容疑者が犯行を計画し、パスワードを知る立場にあった経理担当の伊藤容疑者らを引き込んだうえ、振込先の口座を確保するため、西尾容疑者に協力を依頼したとみて調べている。
修学社は主に中学、高校受験を対象とした学習塾経営会社で、２００４年１２月にジャスダックに上場。昨年１０月に関西の学習塾経営会社と合併をした後、今年３月、ニッケル加工メーカー「エス・サイエンス」（東証１部）に吸収合併されている。