小平市は7月、ブルーベリーを特産品として地域ブランド化しようと、生産農家や商工会などをメンバーに「小平ブルーベリー協議会」を発足させる。同市は“栽培発祥の地”だが、知名度が低いため、市を挙げて取り組むことにした。
ブルーベリーの栽培は1968年、同市花小金井南町の島村速雄さん(63)の農園で始まった。東京農工大(府中市)を卒業後、実家の農家を継いでいた島村さんに、恩師だった岩垣駛夫(はやお)教授がアメリカで手に入れた苗木の栽培を頼んだことがきっかけ。北米が主な原産地でなじみのないブルーベリーについて、一から学びながら栽培した。現在では、市内で計26の農家が栽培しているという。
農水省が実施した調査(2005年)によると、長野、群馬県で多く収穫されている。都内では約64トンが生産され、国内で7番目。このうち約2割が小平産だ。
市では、ブルーベリーが健康にいいことが注目されてきた06年、市内にある武蔵野美術大学の学生からロゴマークを募集するなどPRに努めてきた。市内の商業者がブルーベリーを材料に開発した商品は、クッキーや大福など菓子3種類とワイン、発泡酒の計5種類ある。
しかし、全国での知名度は低いまま。「市民の中にも知らない人がいる」との意見が寄せられた同市では、小平商工会と、JA東京むさし小平支店、同市が一体となった協議会を発足させ、本腰を入れることにした。
市では、生産者と商業者の連携がないことを第1の課題としている。ブルーベリーを使いたくても、どのくらいの量が手に入るか分からないために、商品開発を足踏みする者がいるという。さらに商品化に成功しても、洋菓子組合や商店が独自に展開しているために、市民へのPRが十分に行われていないのが現状。
さらに、課題は商品開発だけではない。島村さんは「特産品として消費者が認めてくれるためには、品質向上が欠かせない。生産者の育成に向けて何ができるかを、協議会で話し合ってほしい」と要望している。
発足式は7月16日、小平商工会館で。問い合わせは同市産業振興課((電)042・346・9534)へ。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20080625-OYT8T00850.htm