【ローマ=喜田尚】バルカン半島の国マケドニアで1日総選挙(1院制、定数120)が行われ、グルエフスキ首相の国家統一民主党率いる政党連合が勝利宣言した。しかし複数の投票所で銃撃戦が起き1人が死亡、けが人が出たほか、投票箱の盗難なども発生。選挙が正常に実施できなかったことで、欧州連合(EU)との加盟交渉に大きな打撃となりそうだ。
選挙管理委員会によると、選挙は開票率が80%を超えた段階で、与党の政党連合が48%を獲得。22%だった野党第1党の社会民主同盟は同日夜までに敗北を認めた。
現地からの報道によると、銃撃戦が起きたのは首都スコピエ市内と近郊の2カ所で、いずれもアルバニア系住民が多い地区。近郊の村では1人が死亡した。近くの計22カ所の投票所が閉鎖され、市内でも1人が重体となるなど少なくとも計8人がけがを負った。銃撃戦は少数派のアルバニア系住民の政党間の争いに絡んで起きたとみられる。
駐マケドニアのEU特別代表はAP通信に「民主社会にあってはならない事態だ」と語った。マケドニアは05年にEU加盟候補国となったが、加盟交渉の開始日程が具体化していない。
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