新規上場企業の株価を不当に維持したとして金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で証券取引等監視委員会の捜索を受けた丸八証券(名古屋市)の吉田則雄元会長(67)が7日、共同通信の取材に「違反の認識はなく(相場操縦の)指示もしていない」と否定した。
元会長によると、監視委の検査で指摘され、初めて違反行為と分かったという。「監視委の指摘にみんな驚き、社員が証券取引所に違反になるんですかと問い合わせたぐらいだ」とし「青天のへきれき。これも違反になるのかと非常に勉強になった」と振り返った。
同社が設置した第三者委員会の調査報告書では、元会長が当時のリテール本部の本部長や副本部長に「公募価格を意識して買いを入れてほしい」と伝えたとされたが、元会長は「『公募価格の上の値でも下の値でも良いから公募価格にこだわらずに買い注文を入れてほしい』と伝えた」と話し、報告書の一部が事実と異なるとの見解も示した。